仲間との時間
菜須よつ葉side
お佳と紅羽で男子の部屋へお邪魔しに行く。
「おぉ、入って入って!」
うのっちがドアを開けて迎えいれてくれた。
「なんとなく雰囲気が違うような……」
お佳がボソッと呟いた。
「そりゃあ、女子ふたりと男ふたりじゃ、雰囲気が違ってて普通だと思うぞ」
「そんなものかしら?」
お佳とうのっちと話している。その横を通り紅羽は竣がいる奥へと進む。
「アイツら、相変わらずだな」
「いつも通りで良いんじゃない?」
「だな!」
竣とこんな会話をしていると、お佳とうのっちが遅れて部屋に入ってきた。
「トランプしようぜ!」
うのっちが鞄をゴソゴソさせながらトランプを探している。目的なものを見つけテーブルの前まで戻ってきた。
「何するの?」
紅羽が問いかける。
「ババ抜きで良いんじゃない? 負けたらバツケームね」
お佳が爆弾を落としたような?!
「バツケーム?」
うのっちと竣が聞き直す。
「そうよ。勝った人が負けた人に答えてほしい質問を一個言うのよ!」
お佳はやる気満々な様子に紅羽と竣は若干引き気味な様子。うのっちは相変わらずな様子。
トランプが配られそれぞれが揃っているカードを捨てていく。じゃんけんで順番は既に決めてある。
「さぁ、始めるわよ!」
竣が、お佳のカードを引く。お佳が紅羽のカードを引く。紅羽がうのっちのカードを引く。うのっちが竣のカードを引く。
「もう、誰がババ持ってるのよ!」
みんなして顔に出ていない。お佳はみんなの顔を見つめている。そして自分なりに考えた。
うのっちじゃなさそうよね。アイツがババ持ってたらあんなに冷静でいられる訳がない。と言うことでコイツじゃない。紅羽を見つめる、焦っている様子は無いわね。竣……怪しいけど、あの涼しくしている表情は読み取れない。
何周目かのうのっちの番が回ってきた時のこと
「どれにしようかなぁ?」
うのっちが楽しそうに竣の手札からカードを選ぶ
「うっ」
来たな! お佳は思った。残りのカードは少なくなっている。そろそろ上がる人も出るだろう。
「えっ? まさかババ引いたの?」
紅羽がうのっちに問いかけるがうのっちはとぼけるだけで教えてはくれなかったけど態度はあからさまに現れている。何度もカードをきったり並べかえたり……。
「きっとね!」
うのっちの代わりにお佳が答えた。
「お前ら……いや、何でもない」
あはは、ばれたね。そんな中で紅羽がうのっちのカードを引く。
「やったー、上がり!」
紅羽は、一番で上がり行方を見守る。
次に竣が上がり、うのっちとお佳の真剣勝負。
「じゃあコレにしよ」
お佳は迷いもなくカードを引く。
「げっ!」
「よっしゃ!!」
お佳とうのっちの声が同時に発せられた。今度はうのっちがお佳のカードを引く。
うのっちはカードを睨み付けるようにしてカードを選ぶ。
「よっしゃあ!!」
「うわぁ、やられた」
うのっちとお佳の真剣勝負は、うのっちに軍配が上がったようだ。
「負けたぁ! はい紅羽の質問何でも答えるよ」
お佳は切り替えが早く潔く敗けを認め自分で言い出したバツケームの質問を待っていた。
「ううん、質問じゃなくてね、トランプ終わったら海を見に行こうって言ってたじゃない。海へ行くまで、うのっちと手を繋いで行くこと!」
「はっ?」
「えっ?」
うのっちとお佳から驚きの声が上がった。
「紅羽、気が利くな」
竣が紅羽にそっと言葉をかけた。
「お似合いかと思って……ふふっ」
紅羽と竣のヒソヒソ話も終わり、竣が声をかけた。
「海に行こうぜ。お前ら手を繋げよ」
竣と紅羽は、大笑いしながらうのっちとお佳の様子を見守る。お佳が覚悟を決めたようだ。
「うのっち、行くよ」
と言ってうのっちと手を繋いだ。うのっちは頬を赤く染め部屋を出る。
そんなふたりを後ろから竣と紅羽が見守っていた。




