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心に寄り添う
菜須よつ葉side
怪我をした紅羽を支えるように戻ってきた。
少し前にうのっちとお佳は戻ってきていた。
「紅羽?」
「ちょっと、紅羽どうしたの?」
うのっちとお佳が声をかけてきた。
「貝殻で切っちゃった」
紅羽は何でもないような言い方で返事をするけどみんなは納得しない。
「手当てしなきゃ」
お佳が紅羽の足の状態を確認する。
「海の家の横にさぁ、案内所あったから手当てしてもらえるか聞いてくるわ」
そう言って、うのっちは案内所目指して走り出していた。
「ふたりは、何処に行ってたの?」
紅羽は、お佳とうのっちがお似合いだと思っているけど、直接は言えず見守っていた。
「うん、夜部屋でね」
「わかった!」
「紅羽が期待するようなこと何もないわよ」
「はいはい」
そんな会話をしていると、案内所で確認をしてきたうのっちが戻ってきた。
「竣、紅羽連れて行ってこい。俺とお佳でここ片付けておくから。案内所で落ち合おう」
いつもは頼りない、うのっちだったがここぞと言うときには、頼りになる存在なのを竣もお佳も紅羽も感じてきていた。




