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未来へ繋がる絆  作者: 香月 よつ葉
大学1年生
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【番外編】絵梨華の赤い糸?!

菜須よつ葉side

ふと立ち寄った書店で一目惚れをした。


その人は、発売になったであろう新書を並べていた。ネームプレートをこっそり盗み見る。


「高遠」


高遠君っていうんだぁ。大学生っぽいけど何年生なんだろう? 書店でバイトって勿体なくない?モデルと言っても誰も疑わないだろう。


かっこいいなぁ。何とかして知り合いに成りたいと思っていた矢先、書店で偶然一冊の書籍を購入しようと探していて一条さんと被ってしまった。二人で気まずく顔を見合わせていると、


「紅羽」

「竣……!?」


一目惚れをした高遠君が一条さんに声をかけた。


「その本がどうかしたのか?」

「う、うん……私も、小田さんもこの本を買いに来たんだけど、もう一冊しかなくて……」


一条さんがそう答えると、高遠君は「ちょっと、ここで待ってて」と言って店の奥へと進んでいった。


会話を交わしていると、すぐに高遠君が戻って来て一冊の本を一条さんに渡した。


「これ……?! この新刊じゃない!」

「俺も買ったんだよ。譲るよ」

「で、でも……」

「いいから」

と、高遠君は一条さんにその本を手渡した。


このふたりのやり取りが羨ましかったけど、仲良くなるチャンスと思い一条さんに頼み紹介してもらった。これで彼の事を少し知れた日だった。


文士会の課外サークルが、高遠君が働く書店で行われる。課外サークルの内容が伝えられて無いときは欠席として届けていたが、あの書店と知って急遽参加することにした。当日が待ち遠しかった。課外サークル活動の当日は、色々と話しかける準備をしていた。お勧めの一冊を探していて困っていて手伝ってもらおう。とか、あなたのお勧めの一冊は何かを教えてもらおう。とかわくわくしていたが、いなかった。


後藤部長が会計をして解散って時に神様は私を見放してはいなかった。


「紅羽。何してるんだ」


高遠君の声がした。


「あ、竣。文士会の集まりよ」


ふたりの会話に割って入ることにした。


「高遠さん、お久しぶり。小田絵梨華です。覚えてらっしゃる?」


「ああ、小田さん。こんにちわ」

「今日は、バイト何時までなんですか?」

「もうじき終わるよ。今日は早番だったから。六時まで」


二人でもっと話したかったから勇気を出した。


「それなら、私、ここの隣のカフェで待ってますから、一緒に夕食、ご一緒しませんか?」


私が勇気を出したお誘いなのに高遠君は一条さんを見た。そして高遠君が言った言葉は「紅羽と三人でならいいよ」だった。


積極的に行くことにした。一条さんの返事も聞かず高遠君に待っていると伝えた。カフェで待っていると「ごめん遅くなって」と高遠君の声がした

高遠君と一条さんが何かを話し高遠君は「了解。サンキュー」と言いながら自然に一条さんの横に座った。嫌な気持ちが湧いてきて場所を変えることを思いついた。


「高遠さん、何処にお食事に行きますか?」


「了解しておいて申し訳ないけど、しばらくここでお茶して帰るよ」

「何かこのあと用事でも?」

「学習指導要領のまとめをしたいんだ」

「食事の後でも良くないですか?」

「ゆったりとワイワイしながら食事をしている時間があるのなら、適当に済ませて学習指導要領のレポートをしたい。提出は来週だけど適当なものは提出したくないんだ」


何をどう言っても高遠君は私の意見は聞いてくれない。こんなの始めてだった。連絡先を聞こうと伝えたがバッサリ断られた。


悔しい気持ちが私の心を占めた。









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