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紅羽の危機
菜須よつ葉side
あっ、私も行かなくちゃ。
紅羽は、受験番号で指定された教室に向かう。廊下の隅に転がっていったペンケースに気づかないで慌ててその場を後にした。
「何人受けるんだろう? 私、大丈夫かなぁ?」
今まで頑張ってきているという自信は持っていてもこの受験生の多さに、紅羽の心に不安が顔を覗かせていた。
「あっ、ここだ!」
自分の受験番号の割り当てられている教室を見つけた。
「えーっと、922339……922339」
あっ、ここだぁ! 紅羽は、自分の席を見つけて席につき支度を始めた。鞄から必要な物を準備しようと鞄の中を覗いて息が止まる思いをすることになる。
「えっ? 無い! 何で?」
だんだん焦ってくる紅羽。持ってきたはずのペンケースが無い。試験にペンケース無いって! 予備のペンなんて持っていない。
あっ!! あの時だ!
紅羽は、ぶつかって転んだときに鞄の中が飛び出た事を思い出した。探しに教室を出ようとした瞬間、紅羽を引き留める声がかかった。