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未来へ繋がる絆  作者: 香月 よつ葉
大学1年生
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先輩達の模擬授業

菜須よつ葉side

初講義を終えてみんなで学食で喋りながら昼食をとり終え、棟内を見て回っていたその時・・・


[はい、この問題の大切な部分だからね、もう一度言いますよ~・・・]


そんな声が聞こえてきた。


「何か聞こえてきた。何処だろう?」


と周りをキョロキョロする、うのっち。


「おぉ、ここだ! ここだ」


うのっちが、みんなに手招きをして中の様子を見るように促す。


交代で講義室の中をこっそり覗いてみる。


[ここは、間違えやすいから気を付けてね]


[わからないときは質問してね]



「私も、ああなれるかな?」


紅羽は、先輩達が「模擬授業」の自主練習をしていたのを見て近い将来の姿を想像した。


「紅羽なら大丈夫だろ」


竣が紅羽の呟きを拾った。


「えっ? あっ、うん」


驚いた紅羽が、竣に返事をする。


佳が先輩達が行っている模擬授業を真剣な眼差しで見つめていたとき、先輩達が紅羽達の存在に気づいた。


「後輩ちゃん?」


先輩達が紅羽に声をかけた。


「あっ、邪魔してごめんなさい」


紅羽は、素直に先輩達に謝罪をした。先輩達は紅羽達に思いもよらないことを話しかけた。


「時間あったら生徒役してくれない?それで色々とアドバイスをしてほしいな」


思いもよらなかった先輩達の言葉に、いち早く反応した学生。


「はいはい、オレ生徒役します」


と手をあげて立候補している、うのっち。


「宇野、先輩方の邪魔するなって」


リーダー的存在の竣がうのっちに声をかけた。


「生徒役してもらえた方が助かるから。時間あるなら手伝って」


先輩方の優しい言葉に甘えて、紅羽達は初めて実習講義室に入る。小学校の教室をイメージして造られている実習室に興味津々の紅羽達、新入生。


「何か懐かしい雰囲気だな」


うのっちが、紅羽に声をかけた。


「うん。懐かしい」


こんな何気ない会話を、複雑な気持ちで聞いている竣。


そんな事お構い無しに、ここに座ろ。とサッと席につく佳。それにつられるように紅羽達も席についた。



先輩方の模擬授業は、とても丁寧で解りやすく説明している。


「せんせー、ここわかりませーーん」


そういって手をあげる、うのっち。


「何処で、わからなくなったのかな?」


先生役の先輩は、うのっちのプリントをのぞきこんで声をかける。うのっちは、小学生になりきっている。先輩達の役にたっているのか邪魔をしているのか不安が残るが、先輩達の模擬授業に感動した紅羽。これからの目標みたいなモノが芽生えた瞬間だった。



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