第001話 「目覚めは突然に」
2話目を投稿、3歳ってかなり偏ってる子供だと思う。
作者は、歳の頃の記憶がある。うっすらだけど。
突然目が覚める。見知らぬ天井。
清潔な部屋って言えばいいのか、木製白い天井が見える。
今時、木でできた天井ってどっかの田舎か海外くらいだろう。
顔に手をやろうとしたとき気がついた、手が小さい。
なんで?俺の手はごつごつとして豆やらいろいろとあったのに。
手だけじゃなく腕もぷにぷにしてる。もしかして、子供になっているのか?
周りを見ようとしてもよく見えない、子供が首を動かすだけの視界しかないのだから。
「だうなうあー(どうなってるのー)」
声も上げられん、声帯がまだ完全じゃないし。
声をあげても「だーうー」って感じにしかならない。首は据わってるみたいだからハイハイはできるようだ。
年齢は3歳くらいかな?なんか変な感じだ。
とにかく見回してみると海外の部屋みたいだ、日本とは違う押し窓といわれるやつだ。
木の板を窓枠に止めて、昼は空けておいて夜は閉めるという簡単な構造だ。
ってかグラスがないのには驚いた、なにより中世期頃の窓枠にびっくりしたよ。
それにしても目覚めたのが子供になって中世期でしたって、何処の小説やねん。
「あうだーぶー」
どうやら口出してたみたいだ、自分の声が大きく言った覚えはないからな。
そうすると、唯一の出入り口であるドアが開いた。そこには、綺麗な金髪美女がいた。
「---、----」
なんか聞き取れない言葉だ、っていうより聴いた事のない言葉って言うのか?
でもなんでだ?もしかすると子供だから聞くのも理解できてない感じか?
美女が近づくと俺のことを抱き上げた、簡単にいえば子供をあやす感じで俺に話しかけてる。
「----、セフィー」
ん?なんか名前が出てきたな。
注意してると俺のことを「セフィー」って言ってるみたいだ、俺の名が『セフィー』って事になるな。
言葉はいつかは慣れるだろう、気長にやっていくか。
美女が俺を抱っこしつつ部屋を出ていく。初めてみるがどうやら3LDKくらいの大きさの家みたいだ。
だが内装やらはどうも貧相な感じがする、よくて中流家庭なのかもしれない。
家の中をそれとなく見て回ると、庭の方から甲高い音が響いている。
「だうあ?(なんだ?)」
「---?----」
美女は俺に何かを言うが、俺は音の方を見つめている。しかし、その後大きい音がしたのは。
花火が近くで爆発したような音がした。家自体もある程度ゆれて軋みが聞こえる。
「はあ、-----」
どうやらこの音の正体を知っているのだろう、ため息もついている。
近所の人が来ないのは、ほぼ毎日やっているのだろう。
中庭の方へ俺を連れて美女が歩いていく。中庭でイケメンと美少女が戦っていた。
戦っているっていうよりイケメンが軽くあしらっている。美少女は肩で息をしながらも何度も打ち込んでいる。
時折美少女の剣から炎が出ると、イケメン目掛けて叩きつける。
イケメンはイケメンで、青い膜状のものをだして受け流してる。
「うだ~・・・(うわ~)」
「---セフィー、------?」
どうやら、俺がびっくりしてるのをおかしそうに見てる美女。そんなことよりもあれって魔法だよな。
剣だって刃をつぶしてる飾りっけもない普通の剣だし、ってかあの剣ってSSOの鉄の剣じゃないかな?
ゲームによっては、鉄の剣って言えども結構かざりっけをつけるが、SSOの鉄の剣は量産品ってわかるくらい簡素だ。
特徴があるとしたら柄の部分にある形だ。普通は、丸いのだがSSOだと卵の形してる。
あと魔法の特徴だ。スキルレベル2で使うシールドとファイヤーソードだ。
SSOは職業っていう枠がないから、戦士タイプでもレベル2くらいなら取得できる。
もちろん魔法タイプの人ならスキルレベル10のレジェンドスペルクラスまで扱える、やりこみすればどのタイプでも出来る。
俺と先輩はやりこみしすぎで、特化型だったりするのだ。
俺が魔法戦士職兼生産職をしていた。ちなみに、先輩は武器武術系特化型だった。
彼らも魔法戦士型のタイプなんだろう、基本剣が主体なのが魔法戦士の特徴だ。
以外かもしれないが魔法戦士は初期は使いにくい、戦士としても魔法使いとしても微妙な立ち位置だ。
しかし上級になったとたん下手な特化職より強くなってしまう、必ずと言っていいほどトッププレイヤーは魔法戦士なのだ。
「だうあーきゃっきゃっ(いいねー魔法戦士の家系とは)」
「-----、セフィー」
すこし興奮した声で俺がしゃべったのを見て、美女は俺がうれしがってるのだろうって思ったのだろう。
そして俺が振り向こうとした瞬間だった、甲高い音を立てて剣がぶつかると美少女の剣がはじき飛ばされた。
地面に刺さると美少女は両手を挙げて「---」って言っている。多分、降参してるのだろう。
イケメンは剣を収めると、落ちてる剣を拾い美少女に渡す。
「セフィー!-----?」
美少女は剣を受け取ったあと、俺に向かって手を振ってる。
どうやら俺に気がついたみたいだ。イケメンはまったくって顔をしている。
ふたりが近づいてきたのをみて、ふと気づくが美少女の耳が若干長くとがっている。
「だっだっだっ(もしかしてエルフ?)」
「----、----!」
美少女は俺に抱きつきすりすりしてくる、俺はある意味もみくちゃだ。
顔をはなして俺のことじっと見つめる、俺は美少女の顔をぺちぺちと手を置いてから耳をつかむ。
「セッセフィー?-----!?」
「???」
何言ってるのかわからない、でもうにうにと耳をもつと真っ赤な顔をする美少女。
美女が俺を抱き上げてから、美少女の耳から手を離させる。
美少女は安心した顔をしてから、俺をちょっと睨むように耳をもみもみしてる。
「---セフィー、----」
「あい」
一応返事しておく。でも、仕草がかわいいのか抱きしめられてしまう。
この美女はウエーブのかかった長くふっくらした髪だったので。わかりにくいがエルフだった。
イケメンはどうやら人族に近い種族らしいな、耳は普通だ。
だから俺は言えるのだ、俺はハーフエルフなのだと。
つづく
今日はここまで、次回から1話づつにします。
まだ、書いてからそんなにしてない。スキルの整理が大変だ・・・。
修正しました(3/23)