第017話 「お断りいたします」
どうもミケ乱です。
今日はちょっと時間がなかったので遅れてしまいました。
多分次ぎからはあまりないようにしていきます。
では続きを。
「そこをたのむと言っておろうが!」
ギルドマスターの部屋から怒鳴り声が響いてくるどうやら何かのトラブルらしい、
声の主は知らないが年齢的に父様と同じくらいか、もしくはそれより上という感じがする。
隣の受付嬢は少し驚いているようだ、何があったかは俺にもわからないけど。
とにかくここにいても始まらないので、受付嬢にドアをノックして俺が来たのを知らせるように促す。
「せっセフィー様をおつれいたしました」
「入ってもらえ」
「失礼します」
ギルドマスターの声に反応して受付嬢が扉を開けると、対面ソファーに座ってる二人と後ろに二人の騎士がいた。
騎士は家の騎士団の奴等とは違うのが一目瞭然だった、着ている鎧と肩にある紋章が物語っている。
騎士の鎧はその仕える領主によってかなり異なるつくりになっている。また王都軍も違う形をしている。
日本で言うところの色や兜で区別していたのと同じ考えだ。ただ、同じ国に所属してるって言うのは胸の紋章でわかる。
肩の紋章はそ領主の紋章をつけるのが義務になっている、王様からもらう紋章もあるが基本は領主が決めてしまう。
家の紋章は木と剣と杖で構成されている。だが、目の前の騎士は剣と狐の紋章だった。
貴族の中でも法衣準男爵の一人でたしか「ファルックス」家の紋章だったはず、去年の「新貴族書」に載っていたはずだ。
「なぜここに冒険者なんてよんだのだ!私たちはギルドマスターと話しをしている!!」
「それはそっちの勝手じゃろうに、ワシはこいつに話があるからよんだんじゃよ」
「たかが冒険者風情が貴族を差し置いてだというのか!?」
「だが今回の一番の功労者じゃからな、ワシから色々と話すことがあったんじゃ」
「なに!では貴様があのオークどもを倒したやつだっていうのか!?」
貴族は俺を睨みつつ見定めている。今日は、確認だけなのでそれなりのラフな格好をしている。
武器は持ってきてるしこのまま軽い依頼が出来るように冒険者用の丈夫な服装だった。
貴族のたしなみにではあるが父様からもらっている家紋入りナイフは背中の方に挿してある。
「貴様、我が息子にその功績を譲れ!貴族のためになるんだ名誉なことだろう・・・」
「お断りいたします」
「貴様!!貴族に逆らうつもりか!?我が「ファルックス」家に!?」
「一つはやってもいない功績を手に入れたところで後で泣きをみるのはご子息です。一つはあなた方のやりようは貴族として
恥べき行為、さらにあなた方はここの領主の了承を得てきているのでしょうか?」
「そんなのあとで確約させるさ!恥とは何だ!貴様に貴族をとやかく言われる筋合いではないわ!!」
どうやらギルドマスターが俺を呼んだのは、半分この貴族に嫌気がさしていたのかもしれない。こんな貴族俺でもいやだよ。
それにこのファルックス家が家に挨拶も無しにここに来ている時点で名誉を手にしようとしてるのだろう。
だから俺を呼んでこの事を父様に絶対に知らせるように仕向けるためだろう。
「貴族と言うのであれば私も貴族の一人として申し上げておきましょう。私はこの町の領主アーティク・フォン・フォーレストの一子セフィーランス・フォン・フォーレストと申すものです。この事は父様に報告することになりますがいかがいたしますか?」
俺はナイフの紋章をみせつついう。驚愕した顔は段々と青くなっていくのが観て取れる。
事によっては領土侵犯というかなり重罪になるからだ、法衣準男爵だということもあり下手をすれば爵位を剥奪されることもある。
しかも家は騎士候ではあるが男爵の地位を持つ貴族なのだ、準男爵程度では手出しをした時点で負けている。
「まっまさか!?そんな!?」
「貴族なら他人の功績を取るより自分で功績を挙げてもらいたいですね、私からは以上です」
「すまんの~この礼はちゃんとするからの」
「わかりました。では私はこれで戻ります」
「すまんかったの」
俺がギルドマスターの部屋を出る時にはこの世の終わりみたいな顔のファルックス家の当主らしい人はかなり老けてみえた。
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あとで父様に聞いたがどうやら取り潰しは免れたとのこと、今回の事で当主は公務に出る事がゆるされなくなった。
下手したら準男爵を支持してた上も処分の問題になっていたらしい。今回と同じことが何件も出てきたから。
ギルドもコレ幸いと色々と問題の多い貴族のことを報告したのもあり、ファルックス家以外はかなり厳しい罰を食らったらしい。
大事にならなかったが今回のことで家の爵位が上がった。位は伯爵となり騎士候の中ではかなりの出世頭になった。
自分の領地を守り、さらに素行の悪い貴族を抑えたのを王が認めた。その上公爵の何人かお礼だと言われた。
「今回のことはあの野郎が俺のことを使うのではなく息子を使ったことがムカつくんだよ」
威厳なくまるで冒険者のようないいようでつぶやいている、父様は怒ったらこんな口調になるのだろ。
母様は今回あまり怒っていません、どうやら俺の経験になったのがうれしいようだった。
「今回、私はあまり口は挟まないわ。でも、セフィーの経験になるから許すだけよ」
いつもながら俺に抱きついてから父様に言うのだから、なんとも締まらない感じではある。
母様は俺のことを第一に考えてくれる。子供だから仕方がないとは思う。
ちなみにアレア姉は王都に行っている、なんでも剣術の先生が王都へ行く事になってついていった。
魔法戦士は王都でもかなり人気が高いと言うので、たまに王都で剣の稽古に出向いているらしい。
素質のある者は自分でやるより効率がよく、俺みたいにゲームの知識から出来る奴とは違う。
俺のようなスキル重視の戦い方より安全なのは確実だろう。俺も一応今度から剣術を習うことになるらしい。
「それからセフィー、今度王都に向かうからな」
「え?いつですか?」
「来週あたりかな。俺も一緒だから大丈夫だ」
どうやら今度は王都でなにかあるらしい。母様は王都へはいかないと言っていた。
この王都での出来事は俺の一生に関わってきたのだった。
つづく
スキル講座:
メニュー閲覧(極):神がくれたスキルの一つ、セフィーが成長すればするほどに使える場所が増える細かな設定も出来る。
ステータス(全):自分のステータスを表示、自分以外にも他人のステータスでスキルとかを扱う事が出来る。
リミットブレイク(極):すべての限界を完全になくなる、最初の内は段階を使っていかないと直ぐに体がだめになる。
では次回もまたよろしくです。




