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第125話 「今回は量が前回より多いのですね?」

どうも、月影ミケ乱です。


本日二話目です。


では、つづきをどうぞ。

「「ロックスパイダー」の駆除ですか?それならCランクの仕事でしょうに?」


「だと思ったのじゃが、どうも最近変異体らしきヤツが多くてCランクじゃ持て余しすぎじゃ」


「変異体?」


「通常の「ロックスパイダー」は岩の外骨格で覆われており、岩に化けて襲う事が多いモンスターだ。だが、変異体は岩よりも硬い外骨格を持っておる上、通常のロックスパイダーより素早い動きを見せておる」


「それってもう別のタイプですようね?「スチールスパイダー」なら考えられますが・・・」


あれはもっと奥の坑道しかおらん、その変異体は普段は屑銀が多く取れる場所だったはずだ」


「屑銀ですか・・・特徴とかわかりません?」


屑銀。その昔、銀と偽って商売され一時期銀不信となったほどの物で。

今でもこの世界では使用価値がなく、汚名をもったまま世界に流通している。

元の世界では19世紀まで金と同じ価値を持ち、生成に時と手間を掛けていたが今では大量生産できる。

その重さは大きい延べ棒にしても、成人女性が一人で持ち上げられるほどしか重量がない。

みんなもお馴染みの金属、「アルミニウム合金」だ。

アルミニウム合金は強い上に軽い、厚さ16mmでも人の手で曲げることすらできない。

ジャンボジェット機の装甲にも使用されるほど強度がある。同じ厚さでも鉄とくらべて約半分ほどの重さだ。

今回の駆除の対象はもしかすると、その合金を持ったスパイダーかもしれない。


「色は鈍い鉄みたいな外骨格だが軽快に攻撃してくる、動きも普通の2倍以上だ」


「・・・なるほど、スチールスパイダーではないと言う事ですね?」


「スチールスパイダーなら見ればわかるが、今回のとは色が違うからな。だから変異体と言う事になっておる」


「戦った者はいるのでしょ?」


「岩より強いが、スチールスパイダーより弱い事はわかっておる。Cランクでは手に追えない状態でのぉ。しかも、今この街にはAランクとBランクが別の依頼で街に居ないのだ」


「さっきの男も言っていたが、何か重要な依頼なのか?」


「ダンジョンの定期的な量を減らさないと大氾濫の恐れがあるからだ、この街近くにあるダンジョンで大掃討作戦に出ておる」


大氾濫とは一定の量以上の魔物が増えすぎる時起こる、ダンジョンと言う器から溢れ出た魔物は凶暴でヘタをすれば街一つなくなる事もある。

SSOでも同じようなイベントは何度もあった。プレイヤーが比較的少ないダンジョンで突発的に始まったりする。

そうなると近くの村や街では防衛イベントが始まり、たまにいい報酬が出るのでプレイヤーが多く参加する。

たまに報酬目当てでダンジョンを隠そうとするプレイヤーもいるが、決まってそういう場所ではイベントは発生しない。


「たしかにダンジョン掃討は定期的にやる事が多いのでは?」


「その前の掃討作戦でサボったヤツらがおって、今回上位ランクでの掃討作戦に変更されてしまった」


「サボったと言うと、今回は量が前回より多いのですね?」


「下手をすれば一ヶ月くらいかかり、どうしても坑道の方が疎かになる。そこでおぬしのような外部の冒険者を頼るしかない」


ギルドなら自分のところの高レベルの冒険者で補いたい。流れ者の冒険者に頼むのはさすがに実力がわからないからだ。

俺の場合は実力を知られてるうえで、他のCランクの冒険者たちよりギルド側から信頼されている。

お誂え向きに「ロックスパイダー」の変異体が出てきたと思っていたのだろう。

ギルド長も色々と面倒を俺に押し付けるつもりだ。だからわざと俺とさっきの男を会わせた。


「そうですか。ところでギルド長、今回の報酬はどうなるのです?」


「それなら金貨10枚と銀貨80枚でどうだ?」


「規定なら金貨15枚は確実では?」


「発見者を黙らせて欲しいじゃろう?」


「食わせ者だな・・・」


「そういうな、これでもギルド所属同士が争わないようにしただけじゃ。あいつらもアホでなければ今回の事で反省するじゃろう」


「そうだといいですけどね・・・」


ああ言った輩は殴られようが会心しない。自分の過ちを知っても進んでしまうからだ。

自分がどんなに愚かなのかは、死ぬ瞬間までわからない事が多い。

普通に死ぬならいいが、そう言う奴らは他人に迷惑を掛けて死ぬ事が多い。

さっきの男も他人に迷惑をかけるタイプだろう。俺みたいな子供に任せられないって感じだったし。


「報酬はわかりました。ですが、もしそいつらがこちらに迷惑をかけた場合はどうします?」


「その場合は報酬が金貨25枚になるだけじゃよ、迷惑料込でな」


「了解です、一応迷惑の証拠もちゃんと持参しますので」


「おぬしの方こそ食わせ者じゃの」


「いえいえ、俺なんてまだまだですよ・・・」


「「ハハハハハハハハハハハハッ」」


俺とギルド長は笑っているが、俺らは眼が笑って居ない。

ギルド長はギルドの利益になるならなんでもするタイプだ。隙を見せると後でいらぬお願いをされそうだ。

今回の事もあの男が来なければ金貨11枚くらいで受ける事になったからだ。

抜け目ない爺さんだ。


「では、依頼は明日からって事で・・・」


「うむ、頼んだ」


笑う事をやめて真剣な顔で話しだす俺とギルド長。周りの人間がすこし引いているのは気にしないでおこう。

二人で握手を交わしてから執務室から出た。ロビーに戻ると何気にさっきより視線が増えていた。

好奇心が強い目線以外は嫉妬や疑りの視線が殆どだった。一部殺気を孕んでいる奴らもいた。


「トラブルが絶えないな・・・・」


受付に依頼受諾を確認してもらってから小声でつぶやく。

だれも聞こえてないのを確認してから、ギルドから出て市場へと向かった。

この後、市場にいた屋台が軒並み売り切れになったのはご愛嬌だろう。



つづく

SSO劇場「ルンと白龍物語(黒竜もおるのじゃ~)」


黒「白坊はそろそろ生え変わりの時期じゃの?」

白「ミャ~?」

ル「脱皮ですか?」

黒「そうじゃよ。本来なら年後しで変わるのじゃが白坊は成長が遅いほうじゃ」

ル「そうですか?私には普通だと思いますけど?」

黒「竜族は脱皮を繰り返す事で成長するのじゃ。白坊は主殿がおるからかもしれんの~」

白「ミャ~?」

ル「マスターがですか?」

黒「我らが主をもつとその主の力しだいで成長するのじゃ。じゃが、うちの主殿は強さを求めておらぬ。そのせいで白坊の成長が遅くなるのもうなずけるのじゃよ」

ル「マスターなら成長するのは時と運だとかいいそうですね」

黒「じゃろ?」

白「ミャミャミャミャ!」

黒「大丈夫じゃよ、心配せんでもええんじゃよ」

ル「白ちゃんは白ちゃんらしくだね」

白「ミャ~~~~~~~ン」

黒「お、背中のところにヒビが見えてきておるの。今夜あたりじゃの~」

白「ミャ~~」

ル「それじゃ、明日には赤飯でも炊こうかしら?」

黒「なんじゃ、まるで人が大人になった証みたいなお祝いのしかたは?」

ル「違うの?」

黒「まだまだ先は長くなる話じゃ」

白「ミャ~~~~」


(朝まで脱皮するのに時間がかかってしまった。翌日の昼まで3匹は一緒にベッドで寝ていたとさ。チャンチャン)


では、次回も見てくれよ!


PS:次の更新は5月以降になります。

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