昼のニュースとドラマの終わり
みなさまこんにちは、昼のニュースです。
ついさきほど、●●学校で女子生徒の飛び降り自殺が起きました。
その学校はちょうど昼休みで、少女は人のいない屋上に入り込んだようです。
少女の自殺を目撃した少年の証言によると、彼女はクラス内で過度ないじめを受けていたそうです。
ですが、学校側はそれを否定しており、「彼女はクラス内では明るい子だった」と証言しております。
彼女のクラスメートもいじめのことを否定しています。
いまの状態ではどちらが正しいのか分かっておりませんが、尊い命が一つ失われた。
それにかわりはありません。
それでは次のニュースです――――。
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女子生徒の飛び降り自殺。
それが起こった学校は、午後の授業は全てなくなって生徒には帰宅するよう言われていた。
その帰宅命令が出てから三十分。
もはや、学校に生徒は残っていない。
――僕を除いて。
**********◇**********
僕は独り、学校に残っていた。
生徒全員が帰った頃を見計らって、ここに来た。
「……ここが」
彼女が飛び降りていった所。
僕は止めた。彼女の手を掴んで、彼女の死を止めようとした。
でも、彼女はそれを望んでいなかった。
「君となら、死んだってよかった……」
僕は呟き、その場に崩れ落ちた。
彼女が消えてしまった後、何も考えれなくなった。
偶然近くにいたテレビの局が来て、彼女について僕に聞いてきた。
僕が事実をそのまま伝えた。
でも、先生達やクラスメート全員がそれを否定した。
テレビ局の人はなんて報じるんだろう?
僕がショックのあまり嘘をついているのか、彼女が辛い思いをしてきたことか。
「僕だけじゃ、君の支えにはなれなかったの?」
クラスの隅で、独りぼっちだった少女。
僕はその子に声をかけて、それからどんどん仲良くなっていた。
何かをいってくる人もいたけど、そんなの関係なかった。
僕は、君が好きだった。
「また、独りぼっちになっちゃったね……」
僕はのろのろと立ち上がると、前に進み始める。
「もう、君を独りにはさせない……」
彼女が僕に初めて笑みを浮かべてくれた時。
そう、誓った。
「君の所にいくよ」
下は地面。
この学校、無駄に五階もあるからなぁ。
きっと……死んじゃうね。
でも、君の隣に行けるなら、怖くないよ。
――馬鹿じゃないの?
――私のためにそこまでしなくていいよ。
――あなたは……私の分まで生きて。
そんな声が、聞こえた気がした。
E N D
みなさまこんばんは、紫月と申します。
今回の御話はどうでしたか?
ドラマでありそうな、ストーリーとしてはありふれたもの。
愛しい人のために、自らも命を絶つ。
素晴らしい自己犠牲ですね。……ただの犬死ですが。
普通、自分が死んでしまったら、大好きな人には精一杯生きてほしい。そう思うものではないでしょうか?
なのに、それを考えもせず死んでしまうなんて。
私には理解できませんね。
さて、この話、中途半端な所で終わっていると思った人は多いと思います。
せめてあと一、二行は書くべきですね(笑)
続きはみなさまがご想像ください。
主人公が命を絶つのも良し、踏みとどまり生きる道を選ぶのも良し。
ここまで読んで下さった方、ありがとうございます。
他の作品なども見ていただければ幸いです。
それではみなさま、次に会える時までどうかお元気で。