俺だけツッコミな教室
俺の名前は佐藤悠真。どこにでもいる普通の高校生──のはずだった。
「おはようございます!!今日は月がきれいですね!!」
まじか、今まだ朝だぞ...
「いやいやいや!!今太陽ガンガンだろ!!あとそれ告白!!」
俺は叫んだ。こんぐらいのノリでいかないと、この教室ではついていけない。
そう、このクラスにはツッコミがいない。
いや、正確には──
俺しかいない。
しばらくして、担任がのんびりと入ってきた。
「はーい静かに。出席取るぞー」
「(お、普通か?)」
「今回の出席はガチャ形式でいこうと思う」
「は?」
「SSR、佐藤!」
「なんでレア扱い!?全然嬉しくないんだが!?」
1時間目 数学
「ではこの問題解けるやつー」
黒板にはこう書いてあった。
2+2=? (ただし感情を込めて)
「なんでだよ!!計算に感情いらんだろ!!」
田中が立ち上がった。
「はい先生!4です......ッ!(涙をこらえながら)」
「正解!田中偉いぞ!しっかり予習してきたんだな!!」
「4に感情を乗せるな!!」
昼休み
「やっと休める〜」
「お、田中の弁当何入ってるんだ?」
「"やさしさ"」
「ほんとに何入れてんだよ!」
「あと"ちょっとした後悔"」
もう弁当ってなんだっけ?
放課後
「ジュース買うか」
「ピッ」
ガコン
出てきたのは──
「ほのおのいし!?これ使えば進化できんのか!?」
「佐藤悠真はむしタイプのため、ほのおのいしは使用できません」
「むし!?ノーマルタイプですらないの!?」
その日俺は悟った。
この世界はおかしい。
でも1番おかしいのは──
「なんで俺、ちゃんとツッコんでんだよ......」
帰り道、夕焼けに向かって叫んだ。
すると後ろから田中の声。
「佐藤ー!明日からツッコミ有料なー!!」
「勝手に課金制度追加すな!!」
俺の戦いは、まだ終わらない。
たぶん一生終わらない。




