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 ABC物語  作者: San


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16/21

ABC物語 16

ある日の放課後。

教室はいつも通り、少しざわついていた。


Cが、机に座ったまま、少し俯いている。


そして、静かに口を開いた。


「私、転校することになりました」


教室のざわめきが、

一瞬にして消えた。


AもBも、もちろん僕も、

言葉が出ない。


Bは目を大きくして、

Aは驚いたまま立っていた。

二人とも、Cがそんなことを言うとは思っていなかったようだった。


【メモ:

AとB、驚き】


その瞬間、

三人の間にあった、

微妙な距離感のバランスが、

スパッと変わったように見えた。


以前のように自然に近づける空気ではなく、

それぞれが少しだけ身を引いたような、

新しい“間”が生まれた。


放課後、BはCのところに歩み寄る。


「なんで、もっと早く言わなかったの?」


声は少し震えている。

でもBの口調には、恨みはない。

ただ、戸惑いと寂しさが混ざっている。


Cは軽く首を振った。


「ごめん、言うタイミングが……」


Bは、それ以上言わずに、

少しだけ離れたところから、Cを見つめていた。


Aはその横で、何も言わず立っていた。

でも、心の中で、

小さな問いを抱えているようだった。


あとで二人きりになったとき、Aは小さくつぶやく。


「…これ、私のせい、かな」


Cは、すぐに首を振った。

「違うよ、Aのせいじゃない」


Aはそれでも少し考え込むけれど、

恨みではなく、ただ自分のせいかもしれないという静かな思い。


Bはまだ少し離れた場所で、

Cの言葉を受け止めている。


教室の空気は、

以前のようなざわめきに戻った。

でも、

三人の間に流れる距離感は、

確実に変わったままだった。

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