ABC物語 15
学校が休みの日。
僕は、特に用事もなく外を歩いていた。
駅前の通り。
人が多すぎず、少なすぎもしない時間帯
そこで、
見覚えのある二人を見つけた。
BとCだった。
制服じゃないから、
一瞬、分からなかった。
でも、
歩き方と、話すときの間で気づいた。
二人は並んで歩いていた。
距離は、近すぎず、遠すぎず。
クラスメイトとして見れば、
ごく普通の並び方。
周りの人から見れば、
ただの友達同士。
でも、
教室で見る二人とは、
少し違って見えた。
Cが何かを話しながら、
何度もBのほうを見る。
その視線は、
確認するようでもなく、
探るようでもなく、
ただ向いている感じ。
Bが笑うと、
Cも同じタイミングで笑った。
教室だと、
いつも少し間があったはずなのに。
【メモ:
二人の笑いのタイミングが揃っている】
Bは、いつも通りのBだった。
よく笑って、
よく話している。
でも、
Cのほうは、
教室にいるときよりも、
少しだけ表情がやわらかい。
肩の力が抜けている。
三人でいるときのCより、
ずっと、
自然に見えた。
【メモ:
C、教室よりリラックスしている】
一瞬だけ、
Cの目が、
Bを見る角度が変わった。
尊敬、とも違う。
羨ましい、とも違う。
でも、
何かを“いいな”と思っているような、
ほんのわずかな憧れ。
言葉にするほど強くない。
でも、
見ていると分かるくらいの濃さ。
【メモ:
Cの視線、
Bに対して少しだけ特別】
二人は、
何事もなかったみたいに、
人混みに紛れていった。
たぶん、
他の誰が見ても、
ただ仲のいいクラスメイト二人。
でも、僕から見ると、
ABCでいるときとは違う形の空気が、
確かにそこにあった。




