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矢久勝基、日記  作者: 矢久 勝基


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11月5日 羅針盤

 そんなこんなでAmazon kindleに登録完了。

 ……正確には今日じゃない。それができたの自体は9月の中旬だった。(←日記じゃねーだろ)

 晴れて自分の物語が市場に並ぶ。これで人生逆転! 長い下積み人生にようやく幕が下りるのだ!!

 ……と、子供でも考えなそうな希望に胸を躍らせながら、自己プロデュースの人生を歩むことになった矢久勝基であった!!

 いやぁ……


 希望なんて戯言は、忘れたフリしたけど

(羅針盤:AUDIORULEZ)


 実際は、希望なんて戯言は……って、自嘲しながら、デスケドネ。

 てか、ただkindleに作品を垂れ流すだけなら、『小説家になろう』や『カクヨム』に作品を上げてるのと同じことなのだ。矢久勝基という、誰も存在も知らない作家がどんな作品を描いていても、そんなのはアマゾンのジャングルで一輪の外来種が芽を吹いただけであり、このままでは誰も気づきはしない。

 しかも、そのジャングルは、そういう外来種だらけのジャングルなのだ。どうすれば気づいてもらえるのか。いやそもそも、小説作品などにどれほどの需要があるものか。

 今、まったく答えもビジョンもない。


 kindleで作品を出版するに辺り、『HARMの法則』というものを聞いた。人間の悩みをまとめるとだいたいHARMの四種類に分けられるぞってことらしい。

 HARMとは、


 Health:健康、美容

 Ambition:夢、資格

 Relation:人間関係、結婚(恋愛)

 Money:お金


 人間の興味はそこにあるのだから、そこに則した読み物が売れるぜよって話だ。俺もただ物書きで飯を食いたいなら、小説作品なんてやめて今までの人生経験を生かして実生活に役に立つナニカを書いた方が効率がいいってことだろう。


 いや、だけどさ……

 俺はやはり、物語が描きたい。

 読むことで、心が豊かになったり、考えさせられたりするものを描いて、なんかこう……幸せになりたいんだよ。(大笑)

 読むことで笑ったり、心が震えたり、少し幸せな気持ちになれたり……それって、実生活に役に立つわけじゃないけど、いやむしろ人間という動物が本当に幸せに生きるための要素として、大切なんじゃないかと思う。

 今チャレンジしている百噺がそうかといえば、……ごめん、ちょっと量産品だからそういう思いよりも数と分量を重視しているけど、もともとの矢久作品はそういうものを目指している。だから、あまりキタナい物がないことはいえる。

 それを悪く言えば、毒がない。棘がない。おそらく、いわゆる〝とがった作品〟ではない。これは自覚がある。

 でも、物語の楽しさを伝える努力は怠っていないつもりだ。


 俺の描くものは世相を深くえぐるものではないし、そうでなくても、時代が求めているのは〝明日から使える知識〟みたいな即物的なものだ。

 しかも映像化の波の中で、あくまで文字だけでの勝負。

 天才かと言われれば、そんな自信は全くない。

 そんな勝負に、希望なんてあるだろうか。

 人生の逆転を、こんな場所に賭けていいのだろうか。

 ……そんな疑問は尽きないけれど、一つ言えること。


  ~~ 馬鹿だから、しかたないの ~~   (大笑)


 だから、何度でも勝負するのだ。馬鹿だから。

 勝てる勝てないじゃないんだよ。馬鹿だからそうする以外の手段が思いつかない。

 ほんと、今、生きていけるかギリギリなんだけどな。

 馬鹿だから、死ぬまで治らない。自分に都合のいい答えが出るまで、歩き続けるしかないのだ。


 海鳴りが声を消し去って 暗闇が前を塞いだって

 明かり灯す儚い心 消えないように (中略)

 ……ここに立ちながら 見えない未来を探してる

(羅針盤:AUDIORULEZ)

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