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矢久勝基、日記  作者: 矢久 勝基


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12月16日 物語のジャンルごとに求められる才能

 俺はテレビドラマの『相棒』が好きだ。

 ストーリーが本当にうまいなぁと思う。

 俺は自分が物語を描く人間なので、わりとストーリーの構成とか、どんどんツッコんで嫁に嫌がられるのだが、『相棒』というドラマに対してアンチな感想を抱くことはあまりない。限られた時間内で本当に良くまとまっていると思う。


 ミステリーって面白いよね。

 まぁ、多数の人がそう思うから、小説もミステリー賞だけは賞金が一段も二段も高いわけだけど、なんというか、ミステリーって分野は見れば見るほど、〝蓄積〟だなって思う。

 ファンタジーのように、……っていうと、ファンタジーにもミステリーがあっていいので、明確にジャンル分けはできないけど、少なくとも矢久が描くようなファンタジーというのは〝発想力〟と〝妄想力〟のたまものだと思う。それらがあれば、ファンタジー小説を一つも読んだことなくても、ファンタジーは描ける。この辺、ホラーやSFもそうかなと思う。(演出的な物は別として)

 ミステリーもまぁ描けないことはないんだろうけど、今まで先人たちが脈々と築き上げてきたロジックの組み立て方を前提に、自分のオリジナル要素を混ぜていく方が深い話になる。ファンタジーに比べてもミステリー分野というのは〝学問〟だと思う。俺はアウトプットばかりでインプットが苦手な人間なので、初級編は描けても上級編は描けないだろうなと思うのがミステリーだ。

 ミステリーはミステリー好きにしか描けない。その度合いが他のジャンルよりも如実なのが、ミステリーだと思う。


 ちなみに、恋愛分野というのは、もうホント〝センス〟だなと思う。

 借り物の設定、どこかで見たような恋愛ものを描くのならその限りではないけども、微妙な心境の変化とか視点とか、これはもう、生まれ持ってないと厳しい気がする。

 俺には妹がいるから少女漫画をいくつも見せてもらったけど、女の人のきめ細やかさは男には真似できないとよく思う。

 ただ、恋愛を一度もしないという一生を送る人もなかなかおらんと思うので、誰でも恋愛ドラマは描けることは描けるのだと思う。俺もいくつか描いたことがある。でも、女流作家のそれにはかなわない。


 人間ドラマに関しては〝経験〟だ。

 これもまた、その中で恋愛してもミステリーしてもファンタジーしても(?)いいものなので、人間ドラマをジャンルとして分けるのもどうかと思うけど、人間の心情に深く切り込めるかはその人がどれだけの経験をしてきたかによると思う。

 誰もが生きた量だけ何かを経験する以上、その経験が特殊であるほどに誰にでも描ける。ノンフィクションともなれば、文章がヘタだからこそ伝わってくることすらある。

 ポイントは、それらの〝経験〟を、細かく覚えているか、だ。

 もったいないね。いろんな経験してきたのに、結構忘れてやがる(大笑)。


 発想力、妄想力のファンタジー。(SF、ホラー)

 蓄積、学問のミステリー。

 センスの恋愛。

 経験の人間ドラマ。

 ……これらが円グラフとなって、総合的にオリジナル作品って完成する。繰り返すけど、『恋愛要素のあるファンタジーでミステリー展開がある人間ドラマ』も成立するのでファンタジー描くなら他の要素が皆無でもいいかと言われたらそんなこともないとは思うが、自分の特異分野とは別のところが突出している物語に関しては、いつも「かなわないなぁ」と思ってる。

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