表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
矢久勝基、日記  作者: 矢久 勝基


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

42/56

12月11日 自分の数字

 昨日、

「歳を感じることってありませんか?」

 と聞かれた。

 そんなことを聞かれる年齢になってしまったらしい。


 が、

 自分としては、生きる上で全くと言っていいほど歳を意識していない。

 巷は体力が落ちたの怪我が治りにくいの言っているが、ぜんぜん心当たりがないし、普通に走れるし跳べるし頭も回る。……その発想力が衰えてきたかと言われれば、ネタを描けば描くほどにそのネタは使えなくなっていくのだから新しいことを発想できる余地は減るわけで、それを発想力の低下というには酷かなとも思う。

 まぁどんな表情を浮かべてもまったく顔にしわが寄らない娘を見てると「これが若さか」と思うが、あとはまったく老いを感じてない。

 志も昔のまま。自分の中の気持ちも幼いまま……。


 しかし巷はしきりに歳のことを気にしている。

 俺、これなんでかなって思いつつ、昨日冒頭の質問をした人を見ながらちょっと思った。

『みんな、数字を意識させられる世界にいすぎるんじゃないか』


 ……俺は個人事業主であり、従業員も抱えてない。

 社会の枠組みから外れている人間ともいえる、ちなみにそういう人間は国にとっては規格外らしく、コロナの際には国から『無収入』と扱われる屈辱を味わった。社会保険料とか普通に俺の収入から算出して徴収してんだろが。ほんといい加減にしろ。

 しかしそんな風に社会の枠組みからそれて生活をしていると、健康診断とかないんだよ。俺は自分の身体の、何の数値も知らない。身長でさえ学生以来測ってないから自分が何センチあるのかとか覚えてない。

 自分を客観視する数字を、一つも知らないのだ。


 逆に、どこかで働いていると、何かとその数字が付いて回る。年齢などをどこかに記入する機会も多いのだろう。年齢ごとに区切られる機会もあるのかもしれない。

 だから、年齢を意識するんじゃなかろうか。

「あなたは~~歳だから、~~が必要です」

 と言われれば、

「あぁ、俺、~~歳になったからなぁ……」

 と思ってしまう。

 言われない世界にいる俺は、気づかない、と。


 ちなみに俺は厄年が何歳か知らないし、そう言うと懇切丁寧に教えてくれる人もいるのだが、覚えようとしないのでやっぱり覚えられない。

 でも、ヨノナカは厄年により、また、年齢を意識しているのだ。

 健康診断で現れる数値に歳を感じたりとか、厄年が近づいてくることに戦々恐々としたりとか、皆様は常に数字の世界に生きてらっしゃるから、数字に自分の老いを重ねがちになるし、なんなら健康診断の自分の数字を知らない俺を心配する。

「健康診断しないで大丈夫ですか? 知らないところで何か病気が進行していたらとか、考えないんですか?」


 いやいや、あなたがた。自分につけられた番号(数字)に囚われ過ぎだよ。

 知らなければ、何の心配もないし、その数字に余命宣告されることもない。年齢を意識させられなければ、老いを感じることもない。

『最近疲れやすくなった』とかよく言ってるけど、アンタら単なる運動不足じゃねぇの?

 学生の頃、無理矢理でもあんなに動いてたのに、社会人になって相対的に動かなくなってんだからそりゃ体力も落ちるし疲れやすくもなるのは当たり前なんじゃないだろうか。

 まー俺は今もほぼ毎日走ってるけど、別に100m何秒とか計らないからずーーっといつもの調子で走れる。ここも数字を意識しなければ、老いを感じることもないのだ。


 ともかく、現代の人間は数字を意識する生活をしすぎだと思う。

 他人がつけてる番号(数字)で、人は、勝手に年老いていく。

 その数字を知らないことを、愚かなことのようにすら思ってる。

 でも俺は、たとえ今日が余命二週間でも、その数字を知ることに興味がない。

 それで十分、若く生きていられてますけど……。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ