12月9日 〝愛すべき無駄〟
『~メルピアットより愛を込めて~』の校正を三十ページ行った。
元々は十八万文字作品だったものを、コンテストの規格に合わせ、十六万文字まで削ったのが今の作品になっている。
web小説投稿サイトなんかのコンテストだと、文字数が基準になったりするが、一般の小説賞だと、例えば『一ページ三十六行、一行当たり四十文字で百二十枚まで』みたいなページ数基準となる。
そうなるとだいたいの場合、小説賞の規格よりも作品の方が規模が大きいので、削らにゃあかんという作業が必須となる。
ちなみに小説賞というのは文字数にしたら八万文字~十二万文字の辺りで行われるものが多いので、始めからエントリーを睨む場合は十万文字をメドに描くのだが、それでも数千文字くらい足が出ることは、わりとあるあるだ。(他の筆者は違うのかな……)
特に『メルピアット~』に関しては公募を睨まずに描いた作品だったので、エントリーできる賞はもともと限られていた。
ともあれ、規格よりも大きい作品を、何とか規定ページ数に収めなければならない。しかしできる限りエピソードは削りたくない。
そのため、まず行うは〝如何に改行を減らすか〟ということとなる。
これがなかなか涙ぐましい。(笑)
例えば、
『すぐに、少女の横顔が思い浮か
んだ。』
という、改行のある一文があるとする。
実際はこんな短いところで改行されてることなんてないと思うけど、『カクヨム』と『小説家になろう』でどこで折り返すのか違うかもしれないので、強制改行の文を用意してる……として……。
このように、改行されてからすぐに文が終わってるケースは狙い目。この文章の場合は二文字だけで一行を占拠してしまってるでしょ?(句点(。)は行の一番上に存在することはできないので二文字)
これを削れば一行の文になるわけだが、まずは読点を省いてしまう。
すると、文字が一文字繰り上がって、
『すぐに少女の横顔が思い浮かん
だ。』
となる。あと一文字。
とりあえずこの場合、〝本当に横顔でなければならないか〟と問い、自分が納得できるなら、横顔じゃなくすれば、さらに一文字繰り上がる。
『すぐに少女の顔が思い浮かんだ。』
……これで、一行削れることになる。
そんなのどれほどだよって思うかもしれないが、百二十ページ分もあれば、結構な数がある。エピソードや内容を削らずに行を減らすことができるとあらばそれに越したことはないわけで、これが四十か所あれば、『一ページ三十六行、一行当たり四十文字で百二十枚まで』という規格なら、これで一ページは減らすことができるのだから結構ありがたい。
てか、チョー涙ぐましい……(笑)。
これだけでもだいたい足りないので、表現を変えてみたりエピソードをカットしてみたりを繰り返し、何とか規定に乗せに行くことになる。
ただ、自転車のチェーンもピーーーーンと張りすぎてない方がいいように、小説作品というのはどんなシリアスなものでも、多少無駄な部分を盛り込んで、読者のリズムに緩急をつけるのも大切だと思う。だから、極限まで無駄を排しコンテストに出品される矢久作品は、のびのび描いたものに比べるとやや味気ないものになりがちだ。
なので、始めて描いた『メルピアット~』と最新の同作品を見比べながら、〝愛すべき無駄〟を戻して最終稿にする作業をしている。
意外に(意外じゃねーけど)、時間と手間がかかる。




