11月2日 とりあえずこれまでの経緯2
まぁ、流行モノを描いているわけでもないし、そもそもweb小説にありがちな、行間をパカパカ開くこともできない。(個人的には、アレ、すげーー読みにくい。内容が頭に入ってこない)
『郷に入らば郷に従』わない作品が相手にされないのも無理もない話なのかもしれない。
だけど、いずれのweb小説投稿サイトのコンテストの主催者の目も、なんとなく、自分たちで作品の良し悪しを判断しているというよりも、閲覧数や読者の評価の数で作品を選んでいる気がしてはいて、『気づかれない』作品は、そもそも評価の対象にもなってないのかもしれない、とは思った。だって、大賞作品と自作品を比べても、それほど劣っているとは全く思えなかったし。
というわけで、遅ればせながら公募の賞にも積極的にエントリーするようになった。けど……
そこから何年戦ったかな……
忘れたけど全滅だった。
っていうか、結果を見に行ってないものも多いので、どれくらいまで通過したのか分からないのもあるけど、一次二次は通っても最終選考まではいかない。
出版業界で、俺の作品は決して認められることはなかった。web小説投稿サイトの閲覧数や星贔屓なんて関係なかったことを証明してしまったわけだ。
でも、そのことが出版社からのデビューへの気持ちを折ったわけではない。狭き門なのは『まさか自分が作家などになれるとは』思っていなかった頃から分かっていたし、自分が天才なんかじゃないことも分かってはいるので、泥臭くチャレンジを続ける情熱も失ってはいない。でもさ……
30日の稿でも言ったように、出版社が小説作品を求めてない姿勢や、新人に対する出版社の対応のおざなりさを多く耳にするようになるにつれ、彼らとタッグを組むことに疑問しか感じなくなってきた。
俺がやりたいのは名作を世に送り出すことで、ビジネスで成功することではない。それが伝わるか怪しいコミュニティに入っても、作家としての満足を得られるか……そう思ったのだ。
『~あの日から~』という俺の短編作品がある。
心の中に妖精のような娘が住んでいた男の話で、彼は自分を励まし続けてくれた彼女を題材に小説を描き始める。
やがてプロになった彼だったが、彼女を売るために彼女を凌辱し続けてきたことに気づき絶望に叩き落とされる、という展開。
この話は自分で自分のキャラクターを壊していった話だけど、外部から壊されていくことも含めれば、そういうことは巷の有名作品を見ていても感じる。
ドラゴンボールが独り歩きし始めたことは、作者鳥山明氏にとってさぞ不本意だったことだろう。原作を大事にされずに自殺に追い込まれた女流作家もいる。
その辺は漫画の話だし、考え方は作家ごとに違うとは思うけど、俺は自分の作品一つ一つを本当に愛しているから、そんな風には扱われたくない。
そういう思いが強くなるほどに、出版社への想いは薄れていった。
つづく




