11月22日 『Kindle Unlimited』は罠なのか。
昨日紹介した『~メルピアットより愛を込めて~』は約二十万文字の作品である。これをkindleでいくつかに分けて販売してみるわけですが……。
いや、ちょっと聞きたいんだけど、電子書籍って、無料で読めるとしたら、わざわざ有料で買います?
これ、小説賞とかにもたまにあるんだが、
『大賞:電子書籍化
※作品化されてもweb小説投稿サイトにアップされているものを削除する必要はありません 』
最近あるかは知らない。だけど俺が盛んに小説賞を漁っていた時はちらほら見受けられたレギュレーションだった。
なんならこの注釈がついていたのは『大賞:電子書籍』だけではなく、普通の紙本の書籍化賞にもあったかもしれない。
いや、でもさ、web小説投稿サイトで無料で読めるものを、わざわざ買う?……アナタ買う?
百歩譲って製品本の方には挿絵が10枚くらい入ってるかもしれない。
それでも……同じパソコン上で読める内容なのに、買う……?
いやまぁ、いろんな意見はあるかもしれないが、個人的には無料でおいてあるものを、電子書籍化して別で販売する行為が甚だ疑問である。同じパソコン上にあるならなおさら、『電子書籍化で販売された方は、読んでる間バラの香りがします』とかでもない限り、あまりにメリットが少ない気がしてならない。……じゃない?
Amazon kindleには配当が35%と70%の二種類があると以前説明した。
70%の方はAmazon以外で作品を公開してはならず、かつ『Kindle Unlimited』という、『月額980円をAmazonに払うと、70%配当の方に登録された作品すべて読み放題』というプランに強制登録される。
web小説投稿サイトでも採用されてる〝ロイヤルティプログラム〟のように、読まれた量で配当が出る仕組みなのだが。
加えて、一作品の値段は250円~1,250円に制限される。
ということは、だよ?
例えば『~メルピアットより愛を込めて~』を40,000文字で5巻構成にしたとする。すると、最低価格に設定するなら、250円で5巻分、つまり1250円で初めから最後まで読める作品……ということになる。
DAGAしかし。
これを70%配当の方に登録して、『Kindle Unlimited』で月額980円読み放題だとしてしまったら……だ。
そりゃ『Kindle Unlimited』の方が当然安いわけですし、おまけに『Kindle Unlimited』は70%配当の全作品が読み放題なのだ。
……あなたならどっちにする……?
ってところじゃないか。
なんとなく、紙の本であれば、それ自体がコレクションになるということもあり得るとは思う。しかし電子書籍である以上、自分が所有しているという感覚は紙本に比べてもだいぶ薄いんじゃないかと思うんだがどうか。
……すると、このAmazon kindleの70%配当というのは、実は結構罠なんじゃないかと、最近思うようになってきた。




