11月11日 せっかくだから、俺はこの世代間ギャップを話すぜ。
てかさ、物語ってそういう要素を乗り越えていくから感激があるんじゃないかと思うのだ。
そんな……葛藤のあるファンタジーを描くのが本来のスタイルなんだけど……。以下次号
の、次号だ。
……なんだけど、そういうのは今の若い世代にはウケないんだよ、たぶん。
昔聞いたことがある。
「ストレス社会だから、趣味の時間まで葛藤したくない」
ストレス社会ね……。
まぁ、昭和の親父の働きぶりを見てきた俺としては、我慢の限界点が低くなったのも原因なんじゃないかと思うんだけど、ともかくストレス社会で、趣味はとにかく、ぱっと景気よく気持ちが発散できるものがいいということ。のようだ。
だからすかっと復讐したり、すかっと無双したりする作品が、現在ファンタジーにひしめいている。優越感……転生転移で、自分だけが何かに詳しいのも、まぁ優越感の部類に入るのではないか。
え? オッサン分かってない? 「ちげーよ馬鹿。そういうポイントで無双モノを見てんじゃねーんだよ。老害か?」って若者は、ぜひポイントを教えてほしい。全然怒んない。真摯に今の感性を聞きたい。
ま、ともあれ、上記のようであると仮定すると、それら若者の傾向とは相いれない。
じゃあターゲットはワカモノってイメージのあるファンタジー分野で勝機はあるのかい?……って話になる。が。
俺は……ある……と思っている。
今言ったように、ファンタジーって若者向けなイメージが強い。昨今のライトノベルの表紙とか見てると、なおさらそう思う。
髪も目もキラッキラな美女たちが、色彩豊かに表紙を飾っている。それ見て思う。
「いや……ホント、日本人って絵が上手になったよな……」
構図も影のつけ方も服のしわも、俺が子供の頃、あれほど精巧なイラストは存在しなかったと思う。
プロの漫画家でも、わりと顔のパーツのバランスが悪かったりしていた。煽りや俯瞰などの、角度的なモノも本当に多彩になったし、キャラクター一つ一つがすごいかわいらしくなった。その辺間違いない。
若者が、あれを見て惹かれる様、分からなくはない。
だけど、個人的には……だよ?
オッサンになって、娘がいる手前、書斎の棚にアレが並んでるのは気恥ずかしい。電車で読むのもどうかなと思ってしまう。
まぁ、今はことさらにイラストを例にとったけど、要するに若者向けのファンタジー小説、その雰囲気全体が、俺には気恥ずかしい。
いやしかし実際、その感性は俺だからこそなのかもしれない。
てか、今の若者たちは意外と思うかもしれないけど、俺の若い頃って、なんとなく「アニメアニメ」と連呼することさえ、何となく気恥しい世の中だった気がする。
アニメは子供が見るモノ。大人向けのアニメなんてあったかな……。
なお、ファンタジー世界だってそのカテゴリ上にあった。いや、正確にはどんどん子供向けになってった感。
……そんな時代を生きていたからこその感性なのかもしれない。(もしくは個人的な)
ただ、それを裏付ける?事実として、
『オッサン向けのファンタジー』
という市場は、現在日本では確立していない。よ、ね?
それはなぜかって、今言った先入観も影響して、要するに市場規模が小さいと見られてるから……なのではないか。
俺はだけど、ここに需要がないとは思っていない。
……そこに、チャンスがあるのではないか……と考えているのだ。
以下次号




