第八話:自称友達
承認欲求の化物ってうざいよね
病室の窓を眺めていると、私の自称友達が何人かお見舞いにきた。
猫なで声で、「〇〇ちゃん大丈夫?」とか「また学校来てね」とかほざいて帰っていく。
彼らは、私が入院するまでずっと、「〇〇ってさ、すぐ体調不良とか言ってサボってキモいよね」などと陰口を叩いていた奴らだ。
私が、知らないとでも思っていたのだろうか?
だとすれば、とんだ白痴に違いない。
それでも私は、一応の礼は言っておいた。ぶっきらぼうに放ったありがとうという言葉に反応して、自分は見舞いに来るという良いことをしてやったと気持ちよくなって帰っていく彼らの背中に、私は中指を一本立ててやった。
鬱陶しい。
全てが鬱陶しい。
承認欲求の化物ども。人間というのは、他者を蹴落としてまで自分が優位に立ちたいと思う奴らが多い生き物だ。
まだ蹴落とすまでならいい。だが弱者を利用してまで承認が欲しいか?見下してた奴に近づいてまでいい子でいたいのか?
気持ち悪い。吐き気がする。大雨で溶けて流れていけばいいのに。
・・・志保との祭りのやり取りを思い出す。別に志保と祭りに行くのはいい。けど、あの周りのガヤガヤが嫌なんだ。
彼女と、二人きりになれたらいいのに。