表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/6

初恋の雨

天気予報は当たり、今日もまた大雨。晴れの天気は当たらない癖に、こういう時は当たるものだ。

都合の悪いものばかり当たるなんて、なんて酷い世界だろうな。

それにしても、大雨か・・・。きっと、山とか森の中は今頃すごく湿っているのだろう。

山ではないが、大雨の日には思い出がある。

それは、まだ私が元気だった頃。確か、小学5年生くらいだったか。その時から私は晴れより雨のほうが好きだった(今だって、屋上での志保のコンサートを開けないから雨が嫌なだけで、雰囲気自体は雨のほうが好きだ)。

特に、草木に滴る雨、暗く、湿気に包まれた、地面もぬかるんでいて、そして神秘的なあの雰囲気。雨の自然、それが好きだった。

しかし、小5の女の子がそんな山の奥まで行くのは困難だった。それに、そんな暗い趣味に賛同してくれる人なんて中々いなかった。

だが、一人だけ、いた。叔母だった。叔母といっても、20代前半のかなり若い人だったが。

よく、叔母と私だけで雨の日に山に散歩に出かけた。


ある時、例の如く散歩していると叔母がこんな事を言ってきた。

「ねぇ、〇〇ちゃん。私と雨のコンサートしない?」

「どうやって?」

そういうと、叔母は傘を閉じ、

「こうやって、雨に身を任せて歌うの。葉っぱに雨粒が当たった音とか、なんか落ち着くじゃない?」

「でも、歌なんてどこでも同じだし、それより濡れちゃうよ?」

「いいのいいの。すぐに帰ってお風呂入ろう。じゃ、コンサートスタート!」

今考えても意味が分からない。やはりおかしいんじゃないだろうかあの人。

だが、言うことを聞いてくれる感じでもなかったので、観念して曲をリクエストした。

雨に似合いそうな曲、かどうかは知らないが、”サンタマリア”をリクエストした。

叔母も知っていたので、どうせならと一緒に歌った。叔母の歌は上手かった。そして、どこか惹きつけられた。


その後は、母からとんでもなく叱られた。しかし、叔母はあまり反省してなさそうだった。ずっと困り顔でニコニコしていた(ちなみに結局次の日風邪を引いたのだから反省してほしい)。

その後、お風呂に一緒に入った。

その際、初めて叔母の身体を見た。白く美しい肌、大きく、柔らかい胸、一切の毛が無く、処女を思わせる陰部。

そのすべて、私の何かを変えた。胸は高鳴り、自分でも分からない感情で胸がいっぱいになった。

私は男になんぞ興味はなかった。かといって女にもさして興味がなかった。

私はこの時、初恋をした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ