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第18話 君の熱を、境界にて

「ねぇ、アリエル……まだ、足りない、ね?」



 優しい声が問いかける。

 リィゼはアリエルをそっとうつぶせに寝かせると、腰を引き上げた。


 その指が内ももの方に流れる。


 あまり人に触れられることの無い皮膚の薄いその部分は、リィゼの優しすぎる触り方でも感触は鮮明で、アリエルは深く息を吸いこむ。


 四つん這いのアリエルの傍で、膝立ちのリィゼが横から顔を覗き込んできているのに気づく。

 アリエルはその視線を遮るようにまぶたを閉じた。


 視界を閉ざして意識を指先の動きに集中する。今度は脚の付け根の方にあがってくる。

 先ほどまでの舌先の愛撫にとっくに熱くなってる秘部が期待にヒクヒク動いた。



「ぁぅ…、ぁ…っ」



 股の真ん中、アリエルの湿った場所に指先の感触。

 濡れた唇のところを優しく撫で回してくる。


 指の動きに合わせて浅く沈む小陰唇から快感の細波が下腹部に広がる。

 中断していた性感の火が、油を注がれたみたいに燃え上がった。



「んぁ、……ふ、ぅく……、リィゼの指、……ぁっ」


「…私の指が、なに?」


「ぁっ……、はぁ、……きもちっ、……ぃっ」



 目をつむっていても、触れてくる指の細い輪郭がはっきりと判る。そんな触り方だった。

 もうとっくにふやけてしまっているアリエルの秘所の入り口に、指の先が入ってくる。


 ほんの少し。入り口にほんの指先だけ。

 とっくに知ってるのに探るような触り方で、リィゼは入り口の内壁に、くりぃ、と指を回す。


 気持ちよさともどかしさで、アリエルは胸から大きく息を吐き出した。



「もっと?」



 耳のそばでリィゼの声がする。

 反応を伺うように、わざともったいぶったズルい言い方。


 胸の奥で何か柔らかいものがぐにゃりと押さえられたみたい。

 アリエルは目を開けてリィゼに横目を流す。



「う、ん……。そこだけじゃ、……ぁっ、もど、かしいの、じゃぁ……」



 そこだけじゃイケないからって、目で言ってやる。

 リィゼは気にした風もなく、そう、と頷いた。



――― 入って来る。



 指が、熱いところを潜り込んでくる。

 ドキドキして四つん這いの背中が震えてしまう。


 細い指は餌を求める生き物の的確さで、お腹がわにある弱い部分を押さえてきた。

 下腹部が、しくしくと熱くなる。


 オシッコを我慢する時のあの苦しさに似た、抵抗しにくい感覚。



「……ぁっ、ぁっ、ぅぅ……っ。そ、こ……、ンっ、……いぃ……っ」


「気持ちいい?」


「ぅん…、ぁっ、こね、捏ねたら……、っぁ、はぁ……、ぅぁ……っ」



 侵入を許した粘膜が、リィゼの指に歓んで噛みついてしまう。

 なだめるように優しい指のくせに、弱いところばかり狙ってくる。


 リィゼの触れ方の上手さに、アリエルは内心で舌を巻いた。



「……捏ねてほしいの?」


「ぁっ、あっ、ぁっ、……ひっ、ぁく、はぁ、ぁ……、あっ、んぅ…ぅ」



 恥ずかしくて、さすがにうなずけない。


 答えを催促するように、リィゼがアリエルのナカを押し広げるように指を回した。

 ちゅく、ちゅく、と股で水音が立てられてしまう。


 竜の尾が、揺れる。

 リィゼに噛みついて離れない膣襞は掻き回された歓びで愛液を溢れさせる。

 それがリィゼの手を汚して腿に伝っていくのがはっきりと分かった。



 甘い被虐と嗜虐の気持ちで首の後ろが熱くなる。

 ちくちくと苛められる心地よさに溺れてしまいたい気持ちになる。


 横目に、リィゼを見る。

 あの品の良さそうな色白の顔が、悪戯っぽく笑ってこっちを見ていた。



―― 指の動きが、大きくなってきたのじゃ。



 膣襞を掻き回す指があちこちを内側から押してきて、腰から下がジンジンと痺れてくる。

 気まぐれな回し方でお預けを食らった気持ちのいい部分が不意に押されたり、待たされたりして、アリエルは切なさに眉をひそめた。



 頭が熱い。

 頭だけじゃない、息も、胸も、お腹も、足も。

 リィゼの指づかいに体中が感じている。


 弱いところを内側から押される甘さに、アリエルは四つん這いの足指に力を入れて、せわしなくシーツを握りなおした。



「ぁっ、はぁ、ぅ……っ、なんで…、そんなさ、触り、方……知って、るん……ぅぁ、じゃぁっ、あっ!」


「こっちだけじゃないよ?」


「え―――?」



 アリエルの横腹で膝を着いたリィゼが、体の下に手を伸ばしてきた。

 腕を着いた体勢の無防備な隙間から、乳房に触れてきた。

 止める間も、止めようもなかった。


 リィゼの手の平がアリエルの胸の膨らみを掬うようにして捏ねてくる。指の股に尖り切った胸先を挟んで、きゅっきゅっと締めあげながら、時折大きく乳房の芯を手で挟んでくる。



「あっ、んぁっ、――っく、ぁっ!あっ、…い、んぁ、ぁ、ぁ、……っ!」



 膣を掻き混ぜられる快感に胸からの刺激が絡んで、意識がまとまらない。

 堪えにくい快感の送りつけ方をされて、アリエルは背中で息をしはじめた。


 どっちの手つきも抗いがたい触れ方だった。

 体を突っ張る腕が震えて、肘が曲がってくる。声を上げ続ける唇の端から透明の糸が垂れてシーツに落ちていく。


 エルフらしく繊細で細い手を股と胸で動かされるたびに、快感を注がれてアリエルは上体をよじる。


 膣襞を不規則に捏ねてくる指がお腹がわの気持ちの良い部分を押さえてくるたび、快楽の波が満ちてきて、一線を越えようと迫ってくる。


 だからそれにだけ気が取られて、アリエルはリィゼの声の微妙な色合いの変化に気づくのが遅れた。



「気持ち良さそうだね?アリエル、可愛いね」


「ひぁ、んく、あっ…!じゃって――、これ…っ、んぁっ、……これ、だって――」


「だって、なに?」


「はぁ、ぁぁ――…、だ、だって、んぁ…、だって、こんな触られ方――、ひゃぁ、ふぁっ!?」



 気がつけば頬から顎を伝い、汗がシーツに落ちていた。

 汗が体中から吹き出ている。



ちゅく、ちゅく、ぬりゅ、ちゅくっ、くちっ、くちゅ――。



 お尻から秘所に回された快楽を迫る手が、内側を掻き混ぜてくる。

 もう絶頂の波が堤防を越えてしまうまですぐそこだった。


 お腹から力が抜けていくような感覚。頭が痺れ、アリエルはいつの間にか肘を折ってしまう。

 弄ばれるお尻だけ突き上げた情けない格好で、シーツに縋って鳴き声をあげる。


 大きいのがくる。

 浅い絶頂だけじゃすまされない、それは膣から広がる切ない痺れでわかってしまう。



「はぁ、ぁ、もう…っ、あっ、くぁ――!あっ、あぁ、わ、わがは――い、もう……、ひぁ!」


「もう、なぁに?」



 もう、イク。

 その予感はさっきから途切れずに続いている。


 喉の奥の唾液がひどく粘る。力なくシーツに突っ伏した顔を何度も苦悶に歪め、足の指を握ったり開いたりした。


 なのに、イカない。


 波が堤防を越えそうになると、膣襞を掻く指がお腹がわ以外だけを責めてくる。

 最後の一押しがもらえないアソコがしくしくと涙を流し続けて止まらない。

 満ちそうで満ちない快楽の瀬戸際の長さが苦しくて、アリエルはいやいやと首を振った。


 その時に、やっと目に入った。

 リィゼが愉しそうに目を細めている顔が。



「ふぁ、はぁ、あっく…!りぃ、ぜ――…、んぁ、も、もうイクのに、これ、ぁ、そこじゃ、な、ぁ…」


「ふふっ。なぁに?―――言いたいことがあるなら、ちゃんと聞かせて」


「――――…ッ!!」



 蕩けてしまいそうになる意識が、やっとはっきり答えを見つけてアリエルは目を見開いた。


 そんな…。やじゃ。


 リィゼはアリエルを責めるだけ責めて、まだイカせる気がないんじゃ。

 アリエルが突っ伏して触れなくなった手を、リィゼはアリエルの頭にのせ、頭頂部からうなじにかけて優しい手つきで撫で始める。


 そのくせ、アソコを責める手はちっとも優しくない。肝心なところで手を緩めて、アリエルに回復のわずかな時間を与え、そしたらまた苛めてくる。止めを刺す気も無いのに。



「どうしたの、アリエル。すごく可愛いお声ね?」



 下がった水位をまた回復させるようにリィゼの手が弱い部分を苛めてくる。



「ぁ、あ、ぁ、あっ、また――。やだ、これ……、リィ、ゼ、あくっ、うぁっ、うぁあっ!」



 こんなのっ、ずる、い、んじゃ……

 イキたいのにッ……

 なぜ、、、んっ……ッ



 アリエルがしどけなく喘ぐ。


 瑞々しい肢体でベッドにすがりつき、股間から愛液を溢れさせている。

 快感の波を送りつけるたびに、鍛えられて括れたお腹を蠕動させ、健康的な肉づきの脚を力なく戦慄かせている。



「ぁ、あ、ぁ、あっ、また――。やだ、これ……、りぃぜぇ、ぁくっ、うぁっ、うぁあっ!」


「やだ、じゃないくてね。ちゃんと、どうしてほしいのか、口で言って?」


「あっ、ひぁっ、んぅぅっ!あぅ、ぅ、あっ、ンぅっ、やじゃ、ひゃ、ひゃじゃぁ…っ」



 お尻から回した手で秘所を弄びながら、もう片方の手でリィゼは髪を耳に掻き上げる。

 緑肌お尻が絶頂を哀願するように揺すられる。


 息を喘がせて波打つ背中の動きが短くなってきた。

 探り尽くした膣襞の中で、リィゼは慎重にアリエルが求める場所から指をずらし、それ以外の場所だけを触れていく。


 手首をゆっくりと使って降りてきた子宮を突き、背中側の膣壁を掻きながら、愛しい少女に首を傾げた。



「ほら、イキたいならそう言わなきゃだよ?もっともっと、気持ちよくなりたいから、止めを刺してくださいって」


「――ひぐっ、あっ、はぁぁ…っ!はぁ、はぁ、ぁ…、んぁっ、ひぁっ、んぅぅっ!」



そんなの、恥ずかしすぎる。

言えるわけがないと思う。

アリエルはベッドに突っ伏した情けない格好で、涙に濡れた目でリィゼを睨んだ。



「だめよ、そんな目を人に向けたら」


「あっ、あっ、あ、あっ……ん、ぁっ、らめっ、引っぱらないで、ほし、あくっ…」



 たしなめるように見返して、秘所に入れた指で引っ掛けるようにしてお尻を吊り上げる。

 お尻を突き上げた格好でベッドに這いつくばり、アリエルは羞恥に胸を焼く。


 知の竜に連なりし竜人の末裔。。その表情が、今は高揚と官能と屈辱にまみれていた。

 リィゼは悪戯っぽく微笑みながら、アリエルのお股でぬるぬると指を動かした。



「ほんとうにイキたくないの?参ったをすればイカせてあげるよ」



――これは、命令じゃない。ただの願いだったのかもしれない。



「は、ふっ、はぁ、ぁ……っ。――…そんなの、しなっ、いッ…、んじゃ、ぁっ!」


「そう?じゃあ、がんばって」


「はぁっ、くふ、ンっ!……ぁっ、あっ、はぁ、ぁ……、はぁ、あッ、らめ…っ!」



 言葉と同時に気持ちの良い場所を中指でぐにぐにと指圧されると、アリエルは突っ伏したまま頭を仰け反らせて小刻みに顔を震わせた。

 よく鍛えられたしなやかな背中を撓らせて快楽に喘ぐ。


 お腹がわに曲げたられた中指がの字に折り曲がり、緩い力で奥から手前に掻く。

 アリエルはもたげていた頭を落とし、両手を握りしめて唇を内側に丸めた。



 ぬち、ぬち、ぬち、ぬちゅ――。くち、くちゅ、くちゅ、くち、くち――。



 浅ましい水音とともに、なめらかな肩がきゅっと狭まって震えはじめる。



「ひゃ、んぅ、ぁむっ、……ッく、はぁ……っ、あっ……、ぁっ、やめちゃ、やら……ぁ」



 絶頂を間近に見てとり、リィゼは指で掻く場所をずらしてペースを落とす。

 息を喘がせる体の揺れとともに、徐々に肩の震えも収まっていく。


 ぐっしょりと汗に濡れた背中をよじり、もう一押しの来ない切なさにアリエルは身悶えした。



「…はぁ、ンっ、はぁ、ぁ…。ずる、い、のじゃぁ……、こんなのっ…、ぁっ!」


「ん?ずるいって、なにが?」


「ぁっ、ぁっ、んぁっ、ひぐっ…!こ、こんな…、わ、ワガハイばっかり、ずっと…っ」


「そう?――そのわりに欲しがってるみたいだけど」


「ひゃぐ、ぅあ!ま、た…つよ……っ、あっ!あっ!うあっ、あくっ、ぅ…、あぁあっ!」


「言う?イカせてって」



 また絶頂の縁まで彼女を追い詰める。


 ベッドに突っ伏した頭を抱えるようにして震えるしかないアリエルの無防備な濡れ壁を鉤指で遠慮なくこすりつける。



 ちゅくっ、ぬちゅ、ぬち、にゅち、ぬち、ぃ…。



 ひときわ声が高くなる。

 どれだけ突っぱねようとも、快楽は拒めない。


 はぁはぁと息を喘がせて頭を振り始めたところで、リィゼはまた愛撫を変える。

 快楽を耕してと指に噛みついてくる膣の中で、ほんとうの急所のすぐ隣を何度も押さえつけてやる。


 指先を濡れ壁にこすりつけるようロールさせ、強弱のリズムをつけて何度も、何度も。

 たった一言の言葉を口にするだけで、これを欲しい場所にしてあげるよと分からせるように、執拗に、丁寧に。



「ほんとうに言わない?」


「きゃふ、んくっ、あぁっ!んぁ、ァ、ぁっ、ふぁぁ、ああっ、ひゃ、あっ、あっ!」



 満たしてもらえない快楽の渇きに、アリエルは目尻に水滴を溜めて顔を紅潮させた。

 もの欲しげになにかを訴える切なげな視線を女騎士に向けた。


 リィゼは目を細めて、ん?と、首を傾げた。



「――――――っ、あっ、んぁ…、あっ、んんっ!」


「なに?」


「―――――……っ。言わ、ないっ」



 竜人としての矜持か。

 半べそをかいた顔の眉間に深く皺を刻んで、アリエルは反対に顔を捩った。

 そのくせ、弱いところをぐりぐりと押してやると簡単に嬌声をあげる。



「そう?じゃあ、仕方がないかしら」



 三日月の笑みを口にのせ、リィゼは手を緩めていく。


 自分の状況を理解する余裕をなくしてしまった震える背中にキスを落とす。

 秘所からぬぷりと指を抜くと、うっと声を上げてアリエルは背中を撓らせた。



「一人じゃイキたくない、ということよね?可愛いアリエル。じゃあ、アリエルの思い通りにしてあげる。……ふたりで、擦り合わせましょ?」



 リィゼはアリエルのお尻の方に回り、崩れた四つん這いの姿勢で息を乱している彼女の脚の間に自分の脚を差し入れる。

 横臥するようにして脚の交差を深くすると、まだ膝を着いている彼女の脚を胸に抱くようにして伸ばさせた。


 アリエルのお腹がベッドに着き、リィゼは交差位の体位で彼女の腰に腰を添える。



「はぁー…、ぁ、ん。えっ、あ…。擦れて…、ちょっと待つんじゃ……」



 アリエルはあわてて身を捩って振り向こうとする。



「だめだよ」



 リィゼは腰をねじり、ぬるぬるの秘部を擦り合わせる。



「――ぁぁっ、ひゃ、んくぅぅッ!あっ、待ってぇ…、いま、だめっ…、じゃぁ、あぁっ!!」



 さんざん嬲り続けた竜人の陰唇に陰唇同士で口づけすると、冷めやりようもない熱のわだかまりが下腹部を通して伝わってくる。

 横臥の姿勢のまま、肩を動かさず背中とお腹を波打たせるようにして腰をすりつけてやると、胸元に抱いた脚が逃げ出すように弱々しく動いた。



「こんなにアツアツになってるのに、ココを苛められちゃったらたいへんよね」



 波打つ腰の動きに合わせ、いやらしく脚を動かす。

 ふたりの脚が交差し、リィゼの方は自由に内ももの付け根で相手の姫根を挫く。

 アリエルの腰がびくっと震え、目の前で細い足首があっちこっちを向いた。



「ひゃ、らめぇ――じゃぁっ!あく、あぁっ、すらない…、れぇ…、あんっ、あ、くぅっ!」


「ねえアリエル、イカしてもらえないのには我慢できても、イカされ続けたらどうなのかな」



 ほんの少し内ももでこすり上げただけで、アリエルの上体がびくんと跳ねる。

 緑色の脚を動かし、せめてこちらに快楽を与えようと、動きを制限しようとしてくる。


 白く乱れたシーツの上で、それぞれの脚がそれぞれをさいなもうと蠕動を始める。

 それでもアリエルの脚は、リィゼの足がくねるたびに震え、自由に動かない。

 勢いを得たように、ゆっくりとリィゼの足が相手を責めていく。



 陰唇同士でキスを交わしたまま、内腿で豆粒ほどのアリエルの弱みをこすり上げる。

 引き締まった脹脛に筋を浮かべ、アリエルは身悶えした。



「やっ、イ…っ、ちゃ…――、ひゃ、やだ、やらぁ…っ、りぃ、ぜっ、それだめぇなんじゃっ」



 柔らかく抱いた脚は、もう動きがちぐはぐだった。

 膝から爪の先、尾の先までぴんと立って震えるのに合わせて、リィゼは脚の摩擦を深くする。



「なぁに?さっきまで、あんなにほしがってたのに。ほら…、イっちゃって」


「ひゃぐ、ふゎっ、あぁっ!らめ、イカせないで、やめ、あぁっ、きもちい…っ!あぁっ、あくっ、――…っちゃう。ワガハイ、イカされ…ちゃ、―――ぁっ、ぁっ、ぁ、あっ!!」



 アリエルの声がひきわ高く響く。引き攣るように体を強張らせているのが下肢の硬直で分かる。

 リィゼの脚を縋りつくように抱きかかえながら頭も背中も弓なりに反り返る。

 深い絶頂に達しているのが添わせた体から伝わってくる。



でも。休憩は与えられない。



「ふぁ、あぁ、あっ、クっ!あんっ、あっ、あっ、らめ!り、りぃぜ…っ、イったから、もうひゃめ――」



 それでもリィゼの脚は動くのをやめない。


 横臥の姿勢で腰をくねらせて、ぬちゅぬちゅと卑猥な水音を立てながら陰唇のキスを繰り返してやる。

 焼け爛れたアリエルのアソコから、噴水のように体液がぷしっと噴き出し真っ白な腰を汚した。



「あら♪お潮、吹いちゃったわね。気持ちいいんだね、アリエル」


「だめ、ああぁっ、塗りつけないでっ…、ひぁ、お、おかしくなっちゃうんじゃ…、あぁっ、あっ!」



 豆粒ほどの小ささの快感を得るためだけの器官に、てらてらに濡れた内ももをすりつける。

 アリエル自身のローションで滑るリィゼの太ももを押し返す小さな尖りはいっこうに小さくなることもできず、ただ摩擦を受けるたびに電流の性感を竜人に送りつけ続けている。


 高く達したまま降りることのできない絶頂に、アリエルが足下で身を捩ってよがる。

 もう責め返すこともできず、煽るように鳴くこともできず、ただ快感の苦しさを訴えて喘ぎ続ける。



「ひゃ、うあぁっ、りぃぜぇっ…、あぁっ!!ほんとに、もうだめなんじゃぁ…っ、あっ、うあっ!」


「そうだね、じゃあ、そういう時はなんて言うの?」


「ぁっ、あっ、ぁっ、はぁッ…!ひゃめ…、やめてぇ…、もう無理っ、じぁっあ。ワガハイのもうだめなんなぁあ……!」


「そういうときはなんていうのかな?ちゃんと言わないと」


「あぁっ、んくっ、あ、きゃふっ、んんっ!あっ、あっ、あっ、待って…ッ!」



 途切れ途切れに息を喘がせながら必死に前を守ろうとアリエルは手を下に伸ばしてくる。

 でもその動きは幼児よりも覚束なくて、とても守り切れていない。


 リィゼのこめかみの辺りが熱くなる。

 ギブアップしたアリエルの下肢を間断なく責めていく。


 目の前で震える健脚を腕に掻き寄せて、リィゼは脹脛にとろりと舌を這わせる。

 口腔に溢れる熱い唾液を塗りつけるようにアキレス腱に優しく舌を這わせながら、陰核を内ももで潰しつづける。


 自分の下で乱れるアリエルの姿にリィゼは見惚れていた。

 そして、もう少し、彼女の今の姿を見ていたかった。


「はぁ、ッ、ああっ!ああっ、ぁっ!やめてぇ…ッ、降参なんじゃぁ、きゃふっ、んぁっ!だか、…だから許してぇ…っ!!イってるんじゃぁ……わっ、ワガハイ、こわれちゃう、ひぁ――っ、あッ!も……、……イっ……、あああぁぁあッ!!」



 引き攣るように震えている逆さ向きの足を胸に抱いたまま、唾液に濡れたアキレス腱に、リィゼは優しく歯を立ててあげた。

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