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幻惑の足取り(ダゾルステップ)

 ケイトとイザベルに模擬戦を提案すると2人は了承し、模擬戦を行う。ケイトが積極的に攻めてイザベルがそれに応じて反撃をするが、ケイトは素早さもあるがどうやらスキルも使用しているようだ。以前村で魔物討伐を巡った模擬戦の際も追いつけない速さではなかったがかわされている事で違和感があったが、ようやくそれが分かるかもしれないんだな。


「師匠、師匠もケイトさんのスキルがどんなものかは分からないんですか?」

「ああ、あの時は俺も奥義の力でスキル自体を使用させずに封じたから見抜いたわけではないんだ」


 俺とシーナの会話が聞こえたケイトが俺達の会話に反応を示した。


「驚いたわ、あんな力技でスキルそのものを使用させないなんて」

「おいおい、師匠とシーナの会話に入るなんて随分余裕だな」

「お気になさらずに、私は御師様達とお話している隙を突いて攻撃するという考えは持っておりませんので」

「そうそう、それにこれは模擬戦なんだしそんな事をしたら修行にならないでしょう」


 模擬戦は互いの持っている技術等をぶつけあう為の修行だからな、会話中に騙し討ちとかはご法度だ、まあ本当は修行中の私語は厳禁なんだが、そこは俺が原因でもあるからあんまり強くは言えないけどな。


「師匠、師匠も気付いているとは思うけど、私が師匠の剣戟をかわして、今もイザベルの攻撃を受けないのは速くよけているからだけじゃないのよ」

「そうだな、俺も速さではとらえているはずだと感じていたからおかしいとは思っていたけどな」

「せっかくだしみんなにも話しておくわ、私のスキル、それは幻惑の足取り(ダゾルステップ)よ」


 ケイトは自分のスキルが幻惑の足取り(ダゾルステップ)だと言って、さらにそのスキルについて詳しく話す。


「私は昔から踊りが得意のはもう話したけど、もともとお客さんとかへの演出の為に幻惑するような動きをしていたの、例えば舞台の右側にいたのに左側に一瞬で移動しているかのように見えるようにね」

「そうか、俺がケイトを認識していて攻撃に行ったように思ったらそこには既にいなかったという事か」

「そういう事、私自身の姿はスキルで隠して、更に幻覚の私の姿を相手に見せるのよ」


 それならケイトより速く動いてもとらえきれないのも納得いくな、そして何かしら魔力を込めるだろうから、ソード・ザ・ブレイキングの風圧はその魔力の発生を妨害するには十分だったわけだ。


「だけどよ、そんな事をベラベラしゃべっていいのかよ、これで弱点をバレるかもしれねえのによ」

「ジョーンさん、イザベルさんは分かっていてもそのスキルを打ち破れないでいるんですよ」

「そうか!あいつらほどの長い付き合いでも攻略法が見つかってねえのか」


 そう、俺が力技で妨害したに過ぎず、現状ケイトのスキルを破る方法は見つかっていないのだ。

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