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これからの推移

 ひとまずユウさんが領主様にケイト達の話を伝えてくれることになり、しばらくは待つ日々となる為、ケイト達は俺との修行をしっかりと受けると言い放つ。


 その話をしながら俺達は道場に帰ってシーナ達に出迎えられる。


「お帰りなさいませ師匠、ケイトさん、イザベルさん」

「おお帰ったか、お疲れさん」

「ただいま、シーナとジョーンも一応どうなったかを聞いてくれ」

「それならば私が話します、実は……」


 イザベルがユウさんの聞き取り調査の内容をシーナ達に説明してくれた。イザベルのお父さんがヴァイツ家に所属していた元商人の移動先を調べていた事、その資料をユウさんが受け取り領主様に進言する事を約束してくれた事、そして職人も伴った可能性がある事をすべてシーナ達に話してくれたのだ。


「す、すごいですねイザベルさんのお父さん、そこまで調べ上げていたなんて……」

「……イザベル、お前の親父さんは仕事中に死んだと言っていたが、それってもしかして……」

「言わずとも分かっております、おそらくは自分達に行きつく事を恐れた商人が仕事中の不運にみせかけた可能性がある事を……」

「だけど、確かあの時は何者かが介入した証拠がなかったから死因は事故として処理されたのよね」


 考えるとケイト達の周りは不幸だらけだなケイトのお父さんは冤罪で投獄されて今でも牢獄暮らしだし、お母さんはそれが原因で心身が不安定になって教会で療養生活を余儀なくされて、イザベルのお父さんはケイトに尽くしていたが、調査の途中で命を落としてしまったんだな。


「魔法を使えば現場から少し離れていても事故に見せかける事はできるはずですが、それには高度な魔力コントロールが必要になりますね」

「待てよ、その商人とやらはそんな事の為に魔法使いまで雇ってやがるのか、もうほとんど戦う気満々じゃねえか」

「ええ、ヴァイツ家の職人が作った武器が今度はこの国を脅かす事を考えると何とかして止めないと」


 急にみんなが血気ついてきたな。だけどここはみんなを落ち着かせるために師匠として一言言わないとな。


「みんな、落ち着いてくれその商家が他国と通じていたとしてももうそれは領主様や国が対応する部分だ、俺達はケイトのお父さんを陥れた奴の調査を待つだけだ」

「師匠……」

「そしてそれが上手くいけば自然とその商家の内通も明らかになる。俺達は事の推移を見守り上手くいく事を祈るだけだ」

「ええ……そうね、私達もあのユウさんや領主様に託す事に納得して決めたものね」


 ケイトは当事者ながらもとりあえずこの状況に納得したうえで選択している。俺達は推移を見守りながら修行を続けるだけだ。

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