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前向きな日々

 ユウさんのケイト達に対する聞き取り調査を終えると、ユウさんは護衛の兵を伴い帰る準備をしながら俺やケイト達に声をかける。


「ではこれにて失礼する、とりあえずこの資料はお見せし、貴殿の話は領主様に伝えておく」

「はい、重ね重ねお願いします」

「リッキー殿、キャスリン殿達だけでなく貴殿からも話をまた聞くかもしれぬが頼むぞ」

「あ、はい……分かりました」


 俺に話を聞くか、多分俺がケイト達から聞いた情報や、普段のケイト達の事を聞かれそうだな。


 そして俺達に対して挨拶を終えるとユウさんは護衛の兵と共に村をあとにした。俺達はしっかりとユウさんの姿が見えなくなるまで見送り、ユウさんの姿が見えなくなるとまずイザベルが村長に礼を言った。


「ありがとうございます村長さん、おかげでお話がしっかりとまとまりました」

「わしは場所を貸しただけじゃ、あんたらがちゃんと伝えたから使者の人も領主様にお話ししてくれるって言うてくれたんじゃ」

「そうだとしましても、私達の話は踏み込んだ部分が多いので、その事を話しやすい場所を作っていただき感謝です」


 ケイトやイザベルが村長に礼を言うと、続けて俺も礼の言葉を言った。


「ありがとう村長、だけどまた使わせてもらうかもな」

「ははは、わしは構わん、それよりいつまでもここで話してええんか?シーナちゃんやジョーンさんが待っておるじゃろ」

「そうだな、それじゃあ俺達も帰るよ、じゃあな」

「失礼しました」

「ありがとうございました」


 村長に帰りの挨拶をすると俺達は道場に向かって帰っていく。


「ねえ師匠、師匠もありがとう、私達の為にこういう場所を用意するきっかけを作ってくれて」

「まあ、俺は少し文を書いただけだけどな」

「でも師匠がドラゴン退治をしてこの村や周りを助けた事が信を得たのがきっかけよ、そのおかげで私達も話しやすかったもの」


 俺への礼を述べると今後の事についてもケイトは話し始める。


「あとはお任せするしかないし、それは正直辛い部分もあるかな」

「ケイト……」

「安心して、こう決まった以上無理して奴らの事をあばこうとは今は思わないし、これからは前向きに修行しながらまた慰問とかも続けていくわ」


 ケイトはとりあえずしばらくは修行と慰問を前向きに過ごす事を俺に明言する。人に任せるのは不安もあるだろうけど、それを呑み込み前向きな日々を過ごす事を決めたんだな。


「さあ、戻ったら修行をしっかりするからちゃんと指導してよね」

「張り切っているな、それじゃあ素振りの回数を増やしてみるか?」

「回数じゃなくてもう一度しっかりした構えを教えて欲しいかな」


まだ不安はあるだろうけど、前向きに過ごそうとする彼女達の為にもしっかりと剣の修行をつけないとな

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