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聞き取り調査

 ケイトは生前イザベルのお父さんが調べていたかつてヴァイツ家に属していた商人がヴァイツ家が取りつぶしにあった後に属した商家等の資料をユウさんに提示し、そこに記されている商家が他国とつながっていないかを調べて欲しいとお願いした。


「個人ではなく、商家を調べて欲しいと?」

「はい、商家が他国と繋がっているとすれば、あなた方としても無視はできない事であると思いますし、どこかで止めなければまた父のような被害者、そしてヴァイツ家の武器がこの国を脅かしてしまいます」

「ヴァイツ家の武器が?それはどういう意味か?」

「イザベル、彼女の父が調べたのはあくまでも商人に過ぎず、彼らが職人も伴ったとすれば、かつてヴァイツ家で作っていた程の武器も生産することはさほど難しい事ではないので、この国の人々を守っていたヴァイツ家の武器がこの国を脅かすと、そう思った事からのお言葉です」


 ヴァイツ家のお抱えだった職人がケイトのお父さんを陥れた奴についていった可能性もあるのか、そこまでケイト達も見越して危機をユウさんに訴えるんだな。


「キャスリン殿、イザベル殿、先程も申した通り、この調査にさほど人員は割けぬ以上、時間がかかるかもしれぬがそれを承知の上で頼んでいるのだな?」

「はい、これは師であるリッキーが私達の身を案じての提案ですし、素人の私達が調査を続けるよりはまだ希望があるかと思いましたので」

「リッキー殿、その話は少し耳にしたが、彼女らの安全を優先しての提案である事には相違ないな?」

「はい、彼女達は現在も人々に踊りと演奏を届けて、そのうえで魔物討伐をしています。彼女達は自分達の目的もありながら人々の為に自分達のできる事をしようとしていたので、それに安心して専念できる環境を整えないとと思いました」


 ケイトとイザベルの善行を訴える、その事が今ここで俺にできる唯一の事だ。そこは強く伝えて行かないと。


「キャスリン殿、イザベル殿、この資料を預かっても構わぬか?」

「え、それって……」

「一度領主様にこの資料をお見せして、判断を仰ぐ。必要ならば写しを作り、貴殿らにこの原本は返却しよう」

「ありがとうございます、お預けします」


 ユウさん、とりあえずはケイト達の事を領主様に話して、調査を進言する方向でしてくれそうだな。


「とりあえず聞き取り調査はここまでとする。また必要とあらば話を聞くかもしれぬがその時は頼むぞ」

「はい、よろしくお願いします」


 今回の聞き取り調査は終わったか、またあるかもしれないが、とりあえず少し進んだか。

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