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対象の絞り込み

 ユウさんはとりあえずケイト達の話に相違がないかという確認から開始して、ケイトもイザベルも自分達の希望を話すが、さすがにユウさんは捜査対象が広く多すぎる為に、調査には時間がかかるうえに動きを悟られると国外に脱出される恐れもあると話す。


 その話を聞いてケイトは何かを思い出したかのようにイザベルに目配せをして、ケイトの視線からイザベルも察して持っていたバッグから紙のようなものを取り出す。


「あのこちらがかつてヴァイツ家に所属していた商人の名前とその後の動きを調べ上げたものです」

「何?新しい所属先や現在の仕事まで調べたというのか?」

「ですが、この情報はもう数年前のものでして、現在の状況は分かりませんが参考にはなるかと」

「しかし、どうやってこれ程の情報をたった2人で調べたのだ?2人は踊り子と演奏者、それに魔物討伐を生業にしていると聞いたが」


 ケイト達は以前ヴァイツ家に所属していた商人がその後どの商家に移ったかを調べていたんだな、そして俺も思ったが、この情報をどうやって得ていたかという疑問に対してイザベルが返答をする。


「それについては私がお答えします」

「うむ」

「主であるキャスリンの母は現在教会にて療養生活を送っていましたが、今回のパルプ村への移転に伴い、整理していたら私の父が密かに調べていたと教会の人が私達にくださいました」

「イザベル殿、確か貴殿の父君はヴァイツ家に仕え、主の投獄後も……」


 そう、多数いたヴァイツ家の商人の多くは他の商家に籍を移したり、独立したりしていたがイザベルの親子だけはケイトの親子をずっと支えていたんだよな。


「はい、私と父は主の無罪を信じ、キャスリンを支え、いずれ真相をあばこうと考えておりました、父は志半ばで倒れましたが、その志は私が受け継ぎ、必ず主の無罪をあばこうと誓いました」

「そうであったか」

「彼女の父が教会の人に預けていたのも自分に何かあった時の為、そして私達がいずれ大きく動くのを見越し、必要な機会が来たら私達に渡すよう話していたと聞いております」

「うむ、それでこの資料を私に提示した事で我らに臨む事とは何だ?」


 イザベルの父さんの調査力はすごいが、わざわざこの資料をこのタイミングで見せる事に何の意味があるんだ?対象の絞り込みの話をしていたがまさか?


「おそらく皆様のほうが彼らの属する商家の現状に詳しいはずです。この商家の名前から彼らの他国との繋がりや間者を調べていただけないでしょうか?」


 これがケイトの要望か?ユウさんはどうやって対処するんだ?

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