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やって来た使者

 イザベルは自分達が罪人の娘、そしてその従者である事からユウさんに自分達の事を信じてもらえないのではと不安になるが、その時シーナが同席する俺が2人の行いからしっかりフォローすればいいのではないかと言い放つ。


 少し楽観的な気もするが、同席する以上、それくらいやらなければな秘密裏の調査をしてもらうわけだしな。


「シーナの言う通りかもな、イザベル、ケイトやイザベルと一緒に魔物退治をした俺だからこそできる事がある。2人が自分の親は無実であることを訴える必要があるが、2人だけで難しい部分は俺ができる限りフォローしていく」

「御師様、ありがとうございます。そのお心遣いだけで救われた気分です」

「気分だけでなく、俺は本当に2人やご両親は救われるべきだと思っている。だから任せてくれ」

「はい、それじゃあ明日も早いので休ませていただきます」


 そう言ってイザベルも自分の部屋へと戻って行き、イザベルの姿が見えなくなったタイミングでジョーンが声をかけてくる。


「任せてくれか、人の人生がかかっているのに、大きく出たな師匠」

「ジョーン、俺はみんなの剣の師匠ではあるが剣だけを教えればいいと思っているわけじゃない」

「それはどういうこった?」

「剣はあくまでも手段というか方法にすぎない。それを通してみんなには自分の人生を楽しく過ごしてもらいたいんだ」


 今剣を教えているのは半分成り行きみたいなところもある。だけど、それをする事で得た俺の考えを強くジョーンに伝えて行く。


「形とはいえ、みんなが俺の事を師と呼ぶならば俺はみんなが生きやすくなるようにできる事はしていこうと思う」

「師匠、そこまで私達の事を」

「まあ、俺にできる事なんてたかが知れているけどな、それでも何もしないのは師としてはダメだからな」

「師匠!頑張ってケイトさんとイザベルさんがいい人だと言ってあげてください」


 いい人、もう少しなにかなかったのかと思ったが、シーナらしいし、俺もざわついていた気持ちが少し落ち着いてきたな。これで穏やかに明日を迎えられそうだ。


 そして翌日、ついにその時はやって来た。村長が道場にやって来てその時を伝えてくれた。


「おーーい、リッキーさん、ケイトさん達も、領主様の使者が来られたぞ」

「来たか、ケイト、イザベル行くぞ」

「ええ」

「はい」

「シーナとジョーンは留守番と自主稽古もしておいてくれ」

「はい、お気を付けて」

「まあ、上手くいく事を祈っているよ」


 さてと、ケイトとイザベル、2人の話が信じてもらえるといいが。

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