楽しい歓迎会
ケイトとイザベルの歓迎会はシーナが大きな獲物を獲ってきたことで村人を巻き込んだ歓迎会となった。全員に魔物の肉は行き渡り、今から村長が乾杯の音頭を取る事とした。
「ええ、今日は急きょではあるがケイトさんとイザベルさんのパルプ道場への歓迎会にわしらも参加する事となった、わしとしては永住して欲しいが、何やら、したい事があってリッキーさんに剣を習うようじゃ」
とりあえず俺から剣を習う事だけ村人たちに告げると、村長は更に言葉を続ける。
「そういうわけでいつまでおるか分からんが、村に住まう者としてわしらは歓迎したいと思う。みんな仲良くしてやってくれ。そういうわけで乾杯!」
「かんぱーーーい!」
全員が乾杯をすると早速料理や酒を楽しむ。
「ねえイザベル、この村は小さい村だけどみんなちゃんと私達を迎え入れてくれるわね」
「そうですね、御師様やシーナさん達もこの村の生まれではないそうですがしっかりと馴染んでいるようです」
「調査報告、そして待ちながらの剣の修行か……」
村人は料理や酒を楽しむ中、ケイト達にシーナが話をかける。
「ケイトさん、イザベルさん、料理は美味しいですか?」
「シーナちゃん、ええ、とっても美味しいわ。シーナちゃんが獲ってきてくれた獲物の肉は特にね」
「そうですか、良かったです、めったに遭遇しない魔物だけど、美味しいって前に村の子供達が喜んでくれたから獲ってきたんです」
「ええ、だけどこの魔物、ホーンタウルスは臭みがすごいと聞いていましたが、そこはもしかして御師様が?」
「そうです、血抜きで上手く臭みを消してその後の調理手順もいいんですよ」
どうやら俺の調理手順の話をしているようだが、シーナの話を聞いて、更にケイトが言葉を発する。
「なんか師匠って料理屋をやってもいけそうよね」
「そうですね私もそう思います。でも師匠は私達の為に剣の修行をつけてくれていますからね」
「明日からは私達も剣の修行なのよね、どこまでできるか分からないけどここに置いてくれる以上しっかりしないとね」
「ええ、私達は魔物討伐もしてますし、少しでもそれの成功率を上げるという意味でも」
明日からは一応ケイト達も修行に参加させる予定だ。早くも修行に対する意欲が見えるな。
そして時間が流れると村長からケイトに言葉が投げかけられる。
「それじゃあそろそろお開きにするし、ケイトさんみんなに締めの挨拶をしてくれるか?」
「私がですか?分かりました」
村長に促されてケイトは歓迎会の締めの挨拶をした。
「村の皆様、私達の為の歓迎会ありがとうございます。いつまでいられるかは分かりませんがよろしくお願いします」
ケイトの挨拶に村人の拍手が送られ、受け入れたという姿勢が俺には見られた。