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村長の家で話すと

 村に帰る途中で道に迷っていたケイトとイザベルに会った俺は2人を俺達の住むパルプ村に案内し、ようやく村に戻って来て、村を目にしたケイト達はここで過ごす事を少しづつだが実感しているようであった。


「道場に行く前にまずは2人を村長に紹介したいが一緒に来てくれるか?」

「もちろんよ、村長さんや村人にもお世話になるんだし、挨拶は基本よ」

「ええ、御師様がお世話になっている方には私達もきっちりと挨拶する必要がありますからね」


 御師様?なんか随分仰々しい呼び方だがまあ、これはイザベルの性格だし、俺があえて何かいう事ではないな。


「さあ、ここが村長の家だ」


 俺はそうケイト達に呼びかけ家の扉をノックして、中にいると思われる村長に声をかける。


「村長、俺だリッキーだ、前に話した新しく道場に住む子達の紹介に来た!入れてくれるか」

「おお、リッキーさんか、そちらの2人がか、まあ入ってくれ」


 村長に促されて俺達は村長の家に入り、テーブルの席に着いた。


「よお、遠くから来て、この村に住むと決めてくれたな、わしとしてはずっといて欲しいがあんたらもシーナちゃんやジョーンさんと同様何か目的があって道場での修行がしたいと聞いておるが」

「師匠⁉もしかして私達の事を村長さんに話したの?」

「いや、俺は2人がしたい事がある事とその為にこの村に住み、道場で剣技の修行を受けたい事しか言っていないな」

「そう、だけど……」


 ケイトやイザベルは自分達の素性をもちろん知られたくないが、村長の立場を考慮すると意を決してイザベルが口を開く。


「ケイト、御師様はご自分のお仕事や私達の修行でお忙しくなるはずなので、村長さんに領主様の遣いの連絡をしていただく必要があるかと私は思います」

「そうね、村長さん、もう一度確認しますが、いまお家には私達しかいませんね?」

「うむ、そうじゃな?」

「それならお話します、実は……」


 ケイトは自分がヴァイツ家の令嬢、そして父が武器の横流しの冤罪をかけられた事、今回村に住むのが俺達の勧めである事を村長に話した。


「ううん、なんと言うか、気の毒というだけではちょっと軽くなってしまうのお」

「私達は何としても父を陥れた商人を見つけ裁きを受けさせたいんです、それまではどうか村に住まわせてください」

「それは構わんし、領主様のお遣いの人もまずわしに話が来る以上、わしが知っておくのがいいじゃろう、だが他の者には話さん方がいいのう」

「はい、あくまでも私達は踊り子と演奏者で剣の修行を受けているという事で話を通していただけると助かります」


 とりあえず村長には事情を説明できたな。

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