奥義炸裂
マジックゴーレムを倒す為に賭けに近い作戦を立てた俺達であったが、ケイトがマジックゴーレムを翻弄しきれず、奴が地面を叩いた衝撃で吹き飛び、作戦は失敗かと思われたが、そこにジョーンが突然現れて、不意打ちでマジックゴーレムを吹き飛ばし、奴はもだえていた。
今なら奴の目を奥義で斬る事ができる!いくぞ!
「喰らえバケモノ!ソード・ザ・ブレイキング!」
これで終わりだ、このデカブツが!ようやく終わりだな!
「やった、やりましたね!」
「へっ、そうこなっくっちゃな」
「すごい、あのマジックゴーレムを……は!ケイト!大丈夫ですか?」
イザベルはケイトに駆け寄り、ケイトに声をかけて、ケイトはイザベルの声に反応をする。
「大丈夫よ、直撃はしていないし、ちょっと軽く着地に失敗しただけよ」
「でもそれで大ケガでもしたら……」
「だけど少しだけ足をひねっちゃったかな」
「今治療しますので少しお待ちを」
イザベルがケイトに治癒魔法をかけて足のひねりを治していると、俺達はゴーレムの目の宝石を回収してケイト達に駆け寄る。
「大丈夫なのか?足をひねったようだが」
「平気よ、イザベルのおかげでこの通り、すぐに治ったわ」
「すまなかった、俺の作戦が穴だらけだったせいで、君を危険に、場合によっては命すら危うくしてしまって!」
「そうですよ!あなたがもう少し安全に配慮した作戦を立ててくれたらこうはならなかったんです!もし直撃していたら私はあなたを恨みましたよ!」
「待ってください、師匠は……」
「やめなさいイザベル!」
イザベルはケイトを危険にさらした俺を強く責めてきた、まあ当然だがそこで俺を擁護しようとしたシーナにかぶさるようにケイトがイザベルに強く言葉を発した。
「ケ、ケイト……」
「この作戦は私達も納得して受け入れたんでしょう、それなら私達に彼を責める権利はないわ!」
「そ、それは……」
「それにイザベル見えなかったの、私が吹き飛んだ後の彼の動きが」
「動きですか、いえ……」
「私が吹き飛んだのを見て、即座に回り込んで私の楯になりながらその奥義をあいつに放とうとしたんじゃないかな、明らかに私の方に駆け寄ろうとしてたわ」
「そうだったのですか」
「でもあの大男、ジョーンが来たから、私の安全が確保されて一気に倒す方針に切り替えた、そうでしょうリッキー?」
ケイト、俺を責める事なく、しっかりと起こった事象について冷静に考えていてくれていた。ジョーンがこなければ倒すのは五分五分だったが、せめてシーナ達が逃がしてくれればと思って、前に立ちふさがれればと思っての動きだったがな。




