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 ドラゴン討伐を試みている際にエルフのシーナと会った俺は、シーナの弓矢がドラゴンの足を止め、その隙に俺は剣による奥義を発動させた。


 これは俺の剣技スキルによる最強の技で物理無効能力を持っているやつ以外ならば切り裂く事のできる技だ。


「くらえ!ソード・ザ・ブレイキング!」


 剣に強力なオーラを纏わせる事で発動させる、このオーラは魔力とは別に存在する俺の気のようなもので、剣の威力を底上げしドラゴンの胸を切り裂く事に成功する。


「す、すごい……」


 ドラゴンを切り裂き、空中から着地するとドラゴンの生死を俺は確認する。


「うーーん、これはさすがに死んでいるが、どうやって死体を処理するかだな」

「あ、あの大丈夫ですか?」

「ん?ああ、俺は大丈夫だが君こそケガはないか」

「はい、大丈夫です?」


 俺達がやり取りをしていると何者かが俺達に近づき、俺達に声をかける。


「君達無事かね?」

「ん?あ、はい大丈夫ですか」

「これは村に迫っているというドラゴンか、見たところ死んでいるようだがもしかして君達が倒したのかね?」

「ま、まあそういう事になりますね」


 正直時間稼ぎに徹するつもりではあったが、倒せてしまったな。これって俺の名前が国や領内に知れ渡るかな?マルスに追放されてからはなるべくその事に触れられたくなくて過ごしていたのにな。


「隊長、どうします?我々が到着する前にたった2人で倒したようですし」

「そうだな、見たところ女の方はエルフのようであるし、男の方は村の者によると普段は農業と魔物狩りをしているようであるしな」

「たった2人でドラゴンを倒したとなると大騒ぎになるし、どうしたものか?」


 なんか、あの兵士の隊長さんがたった2人でドラゴンを倒した事に困っているな、俺としても大騒ぎになるのは困るし、ちょっと提案してみるか。


「あのお、隊長さん、ちょっとよろしいですか?」

「な、何かね?もしかして報酬の話かね!もちろん大目に払うよう私から領主様に進言してみるから心配するな」

「あ、いえ良かったらドラゴンを倒したのは皆さんと協力して倒した事にしませんか?」

「リッキー様!」

「皆さんたった2人で倒した事で大騒ぎになるのが困っているようですし、俺も正直騒ぎになると困るんですよ」

「そうなのか、だが……」

「隊長、向こうからああ言ってくれているんです、乗らない手はないですよ」

「あと、できれば俺達の名前も出さないでいただけると助かるんです」

「何やら事情がありそうだな、分かった君達と我々でドラゴンを倒した事にしておこう、幸い目撃した者はいなさそうではあるしな」


 ドラゴン退治の手柄を領主軍も担ってくれて俺としては何とか助かったな。

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