ひとっ走りで
俺達が巨大な魔物との戦い方について話していると、突如シーナからイザベルの演奏が聞こえたという知らせがあり、俺達は今回の討伐対象の魔物がケイト達の方に現れたと確信した。
「師匠!ケイトさんとイザベルさんのところに魔物が現れたんでしょう、助けに行きましょう!」
「分かった、いくぞ!」
「はい!」
とりあえずシーナの言うように俺達はケイト達を助けに行く事とした、そして念の為にジョーンには別の指示を出す。
「ジョーン、俺とシーナは走ってケイト達のいる村に向かう!ジョーンは念の為、後方を警戒しながらゆっくりと来てくれ!」
「魔物は1体じゃねえのか⁉」
「念の為だ、仲間がいないとも限らないし、目撃情報も1体とは限らないからな、特徴が薄くて」
「分かった、だがこの辺りが安全だと判断したら俺もダッシュで駆け付けるぜ」
こうやって進行予測ルートを分けたのはこういう事態にも対処する為であるからな。
「それじゃあ頼むぞ、ジョーン!いくぞシーナ!」
「はい!」
ジョーンに後方の警戒を任せ、俺とシーナは走ってケイト達がいる村へと駆け付けた。
「シーナ、あれからイザベルの演奏は?」
「ありません、もう戦闘に入っているのかも」
「頼む!どうか無事でいてくれ!」
ケイト達と村人の無事を祈りながら俺達は走っていき、そしてようやく大きな魔物を目にする。
「師匠、あれ、あれが今回の魔物ですね」
「あれは今回の……な!ゴーレム!それもあの色、マジックゴーレムだ!」
「マジックゴーレム⁉何ですかそれは」
「ものすごい魔法耐性の高いゴーレムなんだ、冒険者でも滅多にお目にかかれない魔物だ」
そしてあの魔物はほとんどがダンジョンにこもっていて、外ではさらに滅多に見れない魔物のはずなのにどうして?
まずいな、確かケイトは魔法が得意はずだし、苦戦しているはずだ。ん?水をあいつにぶつけている?もしかしてケイトの魔法か?
「師匠、あそこ!あそこにケイトさんとイザベルさんがいます」
「本当だ、おーーーい2人共無事か⁉」
「リッキーー⁉シーナちゃんも⁉聞いてよあいつ、魔法が効かないのよ」
「それだけではありません、ゴーレムの類なだけあって、防御力も高くて私のチャクラムも弾かれてしまいます」
やっぱりそうか、そうなると奴を破壊する方法は……仕方ない、あれを使うか!
「みんな、奴はマジックゴーレムといって、魔法耐性が高く、防御力も高いんだ」
「そんな奴どうやって倒すのよ?」
「俺の奥義なら破壊できる、だがみんなの協力も必要だ」
奥義しかない、だがそれでも倒せる保証はないからみんなの協力は必要だ!




