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夜行性の傾向

 ケイト達に依頼があった村を任せて、俺達は現在近くの村まで移動を開始した。といっても直接村に入るわけでなく、村の近くで魔物の襲撃に備えるものだ、どちらに向かってくるにせよ、村を戦場にはしたくないし、そこはケイト達も理解しており、外での迎撃準備をしていた。


「しかしよお、師匠、夜行性で大きい奴って事以外の情報がないから対処は難しそうだよな」

「ああ、だけど目撃情報等を考慮すればある程度は絞れそうだな」

「マジかよ、どんな魔物だ?」

「ああ、2足歩行で巨大な魔物となるとゴーレムやサイクロプス等があげられるな」


 今までの目撃情報を考慮すると魔物は2足歩行で縦に長いタイプの魔物のようだ。ドラゴンとかも該当はするが翼のようなものがついていたという証言はなかったし、やはりゴーレムやサイクロプスのような巨大な2足歩行という魔物と考えるのが妥当なようだ。


「だけど師匠、確かゴーレムもサイクロプスも別に特別夜行性というわけではありませんよ、これらの魔物は昼間にも活動をしているはずです」

「シーナの言うように、種族としてのゴーレムやサイクロプスは別に夜行性というわけではない、ただ個体となればまた別問題かもしれないな」

「どういうことですか?」

「サイクロプスならまれにそういう個体が生まれる可能性もある。しかし群れでは暮らせない為、早死にする事がほとんどだ」


 魔物といえど、群れで暮らせなくなるとエサやその他の生活スペースを確保できず、そのまま死に絶える事は往々にしてある。


「だがそんな過酷な環境を生き延びた個体はとんでもなく強い場合があるんだ、ひょっとしたらそういう個体なのかもしれない」

「えええ、それは恐ろしいですね!」

「サイクロプスはそういうケースだとしてもゴーレムはどうなるんだ?あれは生物じゃなくて創造されるタイプの魔物だろう」

「ああ、サイクロプスはその手の個体の目撃例は少ないが、ゴーレムなら意図して夜にのみ動くように創られるかもしれないな」


 さっき言ったサイクロプスの夜行性は、あらゆる状況がうまく作用しなければ魔物としての活動を起こしにくいケースだ、だから意図するならむしろゴーレムの創造かもな。


「だがよ、わざわざ夜にしか活動しないゴーレムを創る意味ってあるのか?どうせなら1日中動く奴の方がいいだろう」

「術者の魔力等も関係するし難しいのかもな、それにあえて活動時間を制限する事で強力な力を発揮させる魔法もあるとは聞いた事がある」


 未知の魔物ではあるが、こうやってケースをある程度絞る事で対策を立てやすい。さあ、どんな魔物が現れてくれるかな?

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