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監視を続け

ジョーンのビッグアント討伐ぶりを確認すると俺はジョーンと一緒にシーナが見張っているビッグアントの巣の近くまで戻るとシーナが見張りを継続していた為、俺はシーナに声をかける。


「シーナ!」

「師匠、ジョーンさん、無事に討伐できたんですね」

「当然だぜ、俺がこんな魔物程度に後れを取るかよ」

「それでシーナ、あれから巣の方はどうだ?」


 ジョーンが無事にビッグアントを討伐できたことを意気揚々と報告すると俺はシーナに巣の方はどうなっているかを尋ねた。


「師匠がジョーンさんの様子を見に行ってからは特に変わった様子はないです」

「そうか、しばらく監視を続けるぞ」

「なあ、ちょっと思ったんだけどいいか?」

「どうしたんだ?」


 ジョーンがどうやら今回のビッグアント討伐の件で何やら疑問があるようだし、とりあえず俺は聞いてみる事とする。


「このビッグアントの巣って前々からここにあったんじゃないのか、よく考えたら何で今頃討伐依頼なんて来るんだ?」

「その前にいいか、ジョーンはビッグアントの生態は知らないのか?」

「ん?ああ、そうだな、今回初めてでくわす魔物だな」

「そうか、あのなビッグアントは本来地中で生活し、定期的に巣の移動をするんだ、もちろん地中内移動でな」


 ビッグアントは基本的には1つの所にとどまらず、定期的に巣を地中内で移動して次から次へと新しいエサの狩場を求める存在なんだ。


「へえ、そんな生態なのか」

「ああ、最初に巣の目撃情報や、ちょっとした揺れがあって俺に依頼があったんだ」

「師匠は魔物の生態とかにすごく詳しいと思っていたんですけど、それって元々冒険者だったからなんですね」

「そうだな、まさか今の仕事にまで役立つとは思わなかったけどな」

「そういう事か、俺は傭兵っていってもだいたいが護衛とかだったし、魔物とはあんまりでくわさなかったな」


 傭兵でも魔物退治が主だった奴もいるがジョーンはそうではなかったんだな。


「だけどジョーン、初見で退治した証拠に触覚を選んだのはさすがだし、そういう勘は働くし、この仕事も向いているんじゃないか?」

「お、じゃあ俺に剣を教える気になったのか?」

「それはまた別だ、さすがに今日の働きだけで決めるわけにはいかないな」

「何だよ、思わせぶりな言い方しやがってよ、まあいいや監視を続けるとするか」


 しばらく監視を続けていると、少し地面が揺れたような感じがしたので、俺達はビッグアントの動きを察した。


「なあ、これ……」

「ああ、奴ら巣の移動を開始したな」

「どうします?追いかけますか」

「いや、俺達では地中でのあいつらの動きには追い付けないし、とりあえず依頼人にこの周辺の脅威はなくなった報告はしておこう」


 とりあえず一仕事は終えた。そしてああは言ったが、俺の中ではジョーンをどうするかはもう決まりかけていた。

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