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迷ってきて

 ジョーンが道場作りを手伝ってくれることになり、とりあえず少しづつ道場は建物の形になってなかなかいい感じだな。


 あとは俺とシーナ、それぞれの部屋を建てていくが、その時にシーナより提案があった。


「あの師匠、ジョーンさんのお部屋は建てなくていいんですか?」

「まだ、はっきりと剣の修行をさせると決めたわけではないが……」


 実の事をいうと、迷っている。ジョーンは自分の為もあるんだろうが、ここまで熱心に手伝うどころか、俺達の不出来な部分を補ってくれて想像以上に早く道場が完成しそうだからな。剣の修行は別にしてもここに住まわせるくらいならいいのではないかと思ってはいるな。


「別に俺に気を遣わなくていいぞ」

「ジョーン」

「ジョーンさん」

「最初にあんたが言った条件を満たせなければ俺はこの村を出て新しいやり方を考えるだけだからな」


 俺の条件を満たさなければジョーンは村を出ていくつもりらしい。それを止めるつもりはないし、剣の修行は受けさせないが村の事を手伝えと言うのもさすがに虫が良すぎるからな。


 決闘は迷惑だったが、実害はほとんどなく、むしろこいつが俺達にもたらした恩恵の方がでかいし、住まわせるだけならいいと思っていた。だけどこいつの目標はもう一度傭兵として一旗あげることだしな。ただ住むだけじゃあ満足しないんだな。


「っていうか、そろそろあんたらの部屋を建てるから希望があったら言ってくれ、内装とか物をどこに置くとかをよ」

「ああ、そうだな」

「それじゃあ少しいいですか」


 シーナは自分の部屋をどうしたいかをジョーンに対して告げており、ジョーンから今度は俺に話がふられる。


「リッキー、あんたは希望はないのか?」

「俺は寝るスペースと机が1つあれば十分だ」

「欲がねえな、本当に元冒険者か?」

「はは、欲まみれの奴と組んで、逆にそうなったかもな」


 勇者マルス、昔からの幼馴染で幼いころから剣、魔法に才能があり、俺はあいつから一緒に冒険者になろうって誘われたときは特に取り柄がなかったから必死に剣を鍛えたな。


 駆け出しのころは多少支援があったとはいえ、いろいろ苦労があったが、マルスと励まし合い頑張ってきたが、段々とマルスが増長していき、欲まみれの奴になっていったからな、どこで間違えたんだろうなとは思うな。


「勇者マルスか、お前も苦労したんだな」

「昔の話だ、さあ明日は魔物狩りの仕事が入っているし、直った槍で頑張ってもらうぞ」

「おお!任せろ!」


 さあジョーンの頑張りを見せてもらうぞ。

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