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追放理由

 ジョーンに勝ち、こいつに名前を利用されるのはどうにか阻止できた。だがこいつの悔しがりよう、普通じゃないな。


「ジョーン、結果的に勝ったのは俺だがお前ほどの腕があれば傭兵を続けられたはずだ、一体何があったんだ?」

「ふっ、それは俺が長槍使いだからさ」

「長槍使いだから、傭兵を続けられなかった?一体どういう事だ」


 長槍使いだから傭兵を続けられなかったとは意味が分からないが、その点についてジョーンが語ってくれた。


「傭兵っていうのはありとあらゆる戦場に行くんだ、ところがこの俺の長槍は狭い場所や入り組んだ場所だと使いきれず、結果仕事に失敗したんだ」

「……そ、そうなのか……」


 まさかの武器へのこだわりでの失敗か、剣しか扱えない俺が言うのもなんだが、もう少しどうにかできたような気もするな、そう考えていたらシーナがジョーンに言い放つ。


「それでしたら、他の武器を使えば良かったんじゃないんですか?」

「使ったよ、だけど長槍以外上手く使えなくてどんなに特訓しても使いこなせなかったんだ」

「教えてくれる人はいなかったんですか?」

「教えを請おうとした事はある、だけどみんな授業料の名目で金をとろうとしたんだ、それもバカ高い額をな」


 なるほどジョーンなりに向上心はあったし、他の使い手に教えも請おうとしたのか、だがそこは同じ傭兵、自分の技術を高くジョーンに売りつけようとしたんだな。


「それでよ、そいつらと大喧嘩になり、俺はそいつらをボコボコにしてケガをさせちまった」

「ええ、それはダメですよ、っていうか槍なしでも強いじゃないですか!」

「俺もやりすぎたと思ったよ、だけどあいつらも俺に仕事をさせたくなさそうなのが伝わって来てな、だけど俺のやっちまったことは問題になり、成果をあげられない、同僚とのいさかい、そして稼ぎ手をケガさせちまったことが重なって」

「追放されたんだな」

「ああ……」


 俺の体験からすればどっちもどっちだが、ある意味ジョーンは仲間に仕事の妨害をされていた部分もあるし、気の毒には思うな。


「あの、その人達はもう大丈夫なんですか?ケガの様子とか」

「確かにケガはさせたがあいつら必要以上に大げさにギルドにケガの申告をしていたんだ」

「ええ!それって」

「ああ、あいつら最初から示し合わせて俺を追放させるつもりだったんだ、今となってはめられた気分だ」


 なんてひどい奴らだ、こいつにも原因はあるが悪質だな、まてよ今までの発言で気になった事があるし少し聞いてみるか。

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