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出発の朝

いよいよシーナ、ジョーン、ケイト、イザベル、俺の弟子4人だけでの魔物討伐の依頼を果たす為に現地へ赴く日がやって来た。


「それじゃあ師匠行ってまいります!」

「依頼先の村はその地図に記してあるからしっかりと見て行けよ」

「なーに、俺達で十分ってところの知らせを待っていろよ」

「頼もしいな、だけど油断は禁物だ」


 何にしても初めて俺が自分の仕事を他者に任せるんだ、少し不安があるが、これもみんなの修行として送り出しているからな。


「じゃあ、私達そろそろ行くわね、留守番中の農作業はお願いね」

「まあ、今はそれもすることはないけどな」

「では、行ってまいります」

「おお、気をつけてな」


 そう言うと、俺の弟子の4人は依頼先の村へと向かっていった。そしてしばらくして姿が見えなくなると言い知れない不安に襲われた。


「しかし、なんだ突然心配になって来たな、大丈夫かなみんな?いや、長く旅をみんなしてきたんだし、目的地には着くだろうな……」

「なんじゃ、リッキーさん、もう4人が心配になってんのか」

「村長!帰ったんじゃないのか⁉」

「あんなでかい独り言が聞こえたら気になるじゃろうが」


 どうやら俺はいつの間にかでかい独り言を言っていて、それを村長が聞いて、4人を見送って帰る途中で気になって戻って来たのか、そういえば何人か村人も俺のほうを見ているな。


「目的地はともかく魔物退治がどこまでできるか不安なんだよな、みんな得意武器を活用できればいいけど、剣の修行だって言い聞かせているから、無理して剣を使ったりしたら……」

「そんなに心配ならついていけばいいじゃろう」

「何を言っているんだ!俺はあいつらを信頼して任せるって言ったんだ、いまさらついていくなんてできるわけないだろう!」

「めんどくさいのう……じゃあこっそり見に行ってはどうじゃ、気づかれないように」


 こっそり見に行くか?なるほどな、それならいいかもしれない。だけどやるからには絶対にばれないようにしないといけないな。あくまで手を出すのは本当の命の危機に瀕したときのみにするって決めて、それ以外は極力手を出さないようにすれば大丈夫か。


「分かった、多分今からなら追いつけそうだし、様子を見に行ってくる」

「最初からそうすれば良かったんじゃ、そんなに心配なら、ほれさっさと行け、畑はわしが見ておくから」

「すまないそれじゃあ行ってくる」


 そう言って俺は出発の準備を始める。修行の成果はやっぱりこの目で見ないとな。

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