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君と見る星空

登場人物:


樹 (いつき):高校2年生の男子。天文部に入部した。星が好きというより、天体観測を通して伊織といる時間が好き。

伊織 (いおり):高校2年生の女子。天文部に所属しており、星や宇宙に興味がある。写真部に所属している。明るく元気な性格。樹のことが気になっているが、なかなか素直になれない。



夜の学校の屋上。樹と伊織が、フェンスにもたれかかって星空を見上げている。


伊織: 今日も星が綺麗だね。ねぇ、樹くん。あの明るい星、なんていう名前だっけ?木星…?

樹: …金星。宵の明星って言われてるやつ。

伊織: そっか、金星か!…って、なんか今日、やけに素っ気なくない?

樹: いつも通りだけど。

伊織: そうかなぁ?…あ、ねぇ、今度の週末、一緒にプラネタリウム行かない?新しいプログラム、すごく綺麗らしいよ。

樹: いや、俺はいいや。

伊織: えっ、なんで?せっかく誘ったのに…。

樹: …人工的な星には、興味ない。

伊織: でも、たまにはそういうのもいいんじゃない?それに、解説もあるから、もっと星に詳しくなれるかもよ?それに…


伊織は言いかけて、口ごもる。


樹: それに…?

伊織: …樹くんと、一緒に行きたいなって…思っただけ。…ダメ、かな?

樹: …別に、ダメじゃない。けど…


樹は、何かを言いかけて、やめる。


伊織: けど…?何?

樹: …いや、なんでもない。


伊織は少し不満そうに、頬を膨らませる。


伊織: もう…樹くんの、いじわる。…じゃあ、いい。一人で行くから。


伊織はそっぽを向く。樹は困ったように、小さくため息をつく。しばらく、気まずい沈黙が続く。


樹: …ねぇ。

伊織: …何?

樹: …ごめん。

伊織: …どれのこと?いっぱいありすぎてわかんない。

樹: 全部…だよ。…いつも、素っ気なくて。…本当は、伊織と話すの…嫌じゃない。


伊織は驚いて、樹の方を向く。樹は照れくさそうに、星空を見上げながら続ける。


樹: プラネタリウムじゃ、暗いし、静かにしてないといけないから…星を見ながら、君と話せないだろ。


伊織は目を見開き、息をのむ。樹の言葉が、まるで流れ星のように心に飛び込んできて、胸の奥が熱くなる。そして、今まで見たことのないような、優しい光を瞳に宿した樹を見つめ、小さく微笑んだ。


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