A、仕方ない連れて行くか・・・。
「いいですけど。連れて行くんですからね?」
「おう!」
暗に=ちょいとかくして念を押してみたが、それで通じるぐらいなら、同学年から敬遠=ハブにはされないだろう。
おとなしくついてこい、なんてのを無視、もしくは最初っからわかっていないタイチョーが、ずんずんと歩き始めた。
「そっちじゃないです」
「わ、わかってるよ!」
「よ!」
寒さのせいか、恥ずかしさのせいか、顔を赤くしたタイチョーがトリマキと一緒にハッチの前を通り過ぎて、反対へと進む。
「あっ。見てあれ」
「うわっ、マジかよ」
「スゴーい!」
「・・・珍しい」
コウの指差し、サンがつぶやいた先では雪が降っていた。
ターちゃんの言う通り、スゴいのはこちら側、さらに言うなら、振り返っても何も降っていないところで、ハッチが目を見張ったのも無理は無い。
降雪の境目。
雪が作るカーテンが、こちらへと迫ってくる。
あれに飲み込まれれば、そこは。
普通に雪が降っているのだろう。
「なにしてんだ? いくぞ?」
「ぞ?」
滑りやすい足元に注意しているらしいタイチョーとトリマキは気づいていないらしい。
「ちぇっ! 降ってきやがった」
「った」
顔に雪が触れてやっと、文句を言い始めている。
「こりゃー近道しねーとな」
「な」
先を行く二人が早速道を外れ始めた。
どうする?
C、仕方ないついてく。
D、計画通りの道を行く。