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M、そこはまるで

「やっとついた・・・」


 ハッチが見上げるそこは。


 堅牢=頑丈な建材。

 昔なら人々が目を見張る大きな一枚ガラス。

 窓からの光が届かず暗いはずの空間を照らすシャンデリアをしのぐ光源。


 人、ひと、ヒト。


 お城かと勘違いしそうなそこは(盛り上げ!)


「スーパーだよね?」

「おおがた、大型の、な」

 北国あるあるなのか、ここら辺の大型店舗や家は入り口が二重になっている。

 一枚目の扉で雪風を防いで体についた雪を落とし、屋内をあまりぬらさない工夫なのだろう。


「さて、お宝を頂きに参りますか」

「おー!」


 いや、そんなに気合いを入れるほどの物では・・・。




「えーと。あった」

 お菓子売場でハッチが手にしたのはパイ○実だった。

 独特のオープン方法のこのお菓子は、お宝と言ってもいいだろう。


とはいえ。


「えー。パ○の実?」

「近所でも売ってるし、セールでもない」

 年少組の言う通り。


 開店セールに、賑わっているのにもかかわらず、パイ○実は安くなかった。


 他の棚にはこれでもか! とセールの値札がついているのに、だ。


「実は、な・・・」

 その違和感の正体は明かされた!


「これを見よ!」

 光の石板、スマホによって!


「・・・?」

「ほら、これをこう押して、こう・・・」

 年少組にはちょっと難しい操作だったが。


「む、りょう?」

 ターちゃんのスマホを持つ手が、信じられない、というかのように震える。


「・・・一個プレゼント?」

 サンが上目遣いで姉に確認する。


「お菓子がただでもらえるなんて・・・」

「・・・あっていい、の?」

 兄姉の顔と、スマホの画面を何度も往復する視線。


 税抜き158円、税込170円が四つ。


 締めて680のお菓子が無料でもらえるなんてのは小学生にとってはお宝に他ならないだろう。


「はい、開店記念のクーポン使用ですね」

 ピピピのピ。


 袋はいらない。

 ・・・お金がかかるから。


「はー」

「・・・」

 空いているベンチに座る年少組とそばに立つ年長組。


 クエストは達成された!


 四人はお宝を手にした!


 さて、どうする?


N、もうここには用はない。帰る。

O、せっかくここまで来たんだし、店内をまわる。

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