L、生理現象はしかたない。入店する。
「わーい!」
入り口脇で雪を落としてもらうや否や、ターちゃんがトレーニングカードコーナーへ突撃していった。
「か・わ・な・い・ぞ!」
大きな声は店内の目を集めてしまうが仕方ない。
「お菓子・・・」
「だめ」
「肉マン・・・」
「だめ!」
「あ、新刊が出て・・・」
「だめ!!」
「ならなんならいいのさ!」
「トイレだよ! トイレ! そういう約束だろ !?」
いや、約束した覚えはないし、聞きつけた店員さんが苦笑しているが、ここに入った理由はそれである。
・・・なんとなく嘘っぽいが。
「はぁい」
しぶしぶと足取り重くターちゃんがトイレにむかい。
・・・
・・
・
「遅くない?」
「だな」
いつまでたっても出てこない。
疲れた小学校低学年のダンスぃーにとって温かい便座はまるで天国だった。
あははは。
うふふふ。
裸で背中に白い羽根を生やした小さな天使が彼をお花畑へいざなった。
ぐー。
どんどんどんどん。
ぐー。
彼は目覚めない。
外が暗くなっても。
がちゃり。
兄に相談された店員さんが非常手段で扉を開け、彼は助け? 出された。
とうぜん、フル○ンを目撃されて。
冒険は終わった。
─── その後しばらくコウとサンに会うたび顔を赤くされたっけ。
昔、ターちゃんと呼ばれた男は、頑なにコンビニトイレを利用しない。
ナニカ、を。
思い出してしまうから・・・。
ばっど、えんど。
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