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嘘はBLの始まり  作者: 紫紺
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TAKE19 最初で最後の


 記者発表会は滞りなく終わった。自分でも及第点はもらえる受け答えだったんじゃないかと思う。

 享祐はもちろん貫禄の対応だったし、東さんにも褒めてもらえた。


『台本もらったら連絡する』


 享祐はそう言ったけど、結局来なかった。多分スケジュールキツイんだろう。

 僕もそう思ってたから、メールでも『おはよう。今日も頑張ろう』とか、

『おやすみ』なんて挨拶だけにした。


 でもそれを補うように、記者発表の後、僕の控室に来てくれた。


『さっきの記者会見。可愛いこと言うじゃないか』


 なんて言って褒めてくれた。少しずつだけど、自信がついてきたのかもしれない。おどおどしなくなっただけでも進歩だよね?




「三條伊織さん、出番ですのでよろしくお願いします」

「はい。今すぐ行きます」


 よし、今日から第三話の撮影開始だ。いい感じになってきてデートを約束する二人のシーンからスタート。

 表向きはパトロンと愛人関係だけど、二人とも本気で好きなんだ。これ、今の僕みたいだな……。



「それではシーン10。お願いします。5、4、3……」


 ざわめいていた現場が一瞬で静まり返る。耳に息を吸う音が届くほど。



「ん……? 今……なんて言ったの?」


 駿矢の部屋。ベッドの上で素肌に直接シャツを着ている。気だるそうにしながら、相馬に聞き返す。


「今度、一緒にドライブにでも行かないか?」

「ドライブ? そんな、陽の当たるところに僕と一緒に出てもいいのか?」


 自嘲気味に笑うと、向こうで服を着ていた相馬がベッドにやってきた。


「いいんだよ。別に」


 言いながら、バックハグをする。相馬の息が駿矢の耳にかかった。くすぐったそうに首を傾げ、自分の胸の前で組まれた相馬の腕に手を置いた。


「ふうん。あんたがいいなら、僕は構わないよ。僕は何も、隠し立てする必要はない」

「そうか? 売れ出したらそうもいかないだろう?」

「まだ売れてない。売れたら、そうだな。あんたとはお別れだ」


 首だけ後ろに振り向き、駿矢は口角を上げ目を細めた。


「現金な奴だな」


 相馬は体ごと駿矢をベッドに倒した。熱烈なキスをする。


「待てよ、さっきやったばかりだろ」

「うるさいな。売れる前にやり尽くしたいんだよ……俺にとっては、最初で最後の恋だからな」


 首筋からデコルテにかけて唇を這わす。さっき留めたばかりのボタンを外すとシャツを剥がした。


「ええ? 最初で最後って……。やってることは盛りのついた猫と一緒じゃん。んんっ……」


 それでも駿矢は逆らうことなく、相馬を受け入れた。






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