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『復讐を笑う』  作者: 最上亡人
第一章 「ようこそ横山家の別荘へ」
5/27

ようこそ横山家の別荘へ(5)

(5)


「キャァアアアアア!!!」


俺が手に汗を滲ませていると二階の方から甲高い悲鳴が聞こえてきた。

なにかあったのか?俺はさっき見たものは忘れることにして、咄嗟に二階へ上がった。

するとメイドの広瀬が腰を外して倒れていた。

口押さえながら彼女が指を指す先には、巨漢な男の身体が横たわっていた。


「全然返事がないから勝手にドアを開けてみるとご主人様が、ご主人様が、、、」


そう、今俺たちの目の前で倒れている男こそが『コダイク』の社長。横山コウダイだ。

すぐに他のみんなも駆けつけ、この惨状を見て事態を理解したようだ。

なんともいえない空気が割れた窓ガラスから抜け出ていく。

彼の死体を見れば誰もが他殺とわかる。背中から一刺しで殺された跡があったのだ。

楓と執事は号泣してメイドと一緒に床に崩れ落ちた。

一同が言葉を発せずにいる中、お姉さんは冷静に言った。


「わかった。とりあえず警察に通報しよう。ここまで来るのに何時間かかるかわからないし、

普通の電話だったら圏外になるような場所だけど、パパの部屋にあるあの電話ならきっと繋がるはず。」


彼女は受話器を取るもそのボタンを押す手はすぐに止まった。電話線が切れていたのだ。

音の鳴るはずもないその受話器は彼女の手によって床に投げ捨てられた。


「クソ!なんだよこれ!」


「お、落ち着いてください。ここは一旦落ち着きましょうお嬢様」


執事がお姉さんを安心させようと必死だったが、その表情は涙を流していた。

自分も長らく支えてきた主人を失ったことへのショックが大きいのだろう。

おそらくこの中で唯一悲しいという感情が湧かないのは横山コウダイとなんの接点もない俺だけだ。

それ以上に他殺であることが怖かった。直感的にこの中の誰かが犯人なのではないかという疑問に繋がった。


「パパを殺った犯人はこの中にいるよね?」


皆が気になっていたことを率先して聞いたのは泣きべそをかいていた楓だった。

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