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第六話

天文五年 (一五三六年) 十月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館


 上鈴村に行く日になった。供回りを選ぶのに時間が掛かった。どうやら、嫡男の供回りは名誉な事で多くの家臣が手を挙げた。



天文五年 (一五三六年) 十月 播磨国 飾東郡 上鈴村


 上鈴村と入り口が見えた。目を凝らして見ると一人の男が立っていた。


「ようこそおいでくださいました。お初にお目にかかります山脇六郎左衛門 と申します」


「うむ、小寺孫四郎だ。隣りにいるのが俺の傅役である黒田下野守重隆だ。」


 二十代前半だろうか。供回りを紹介すると、村を案内してくれた。


「左衛門、俺はこの村の田んぼを整地したい」


「何故整地する必要があるのですか?」


「整地して、均等な距離に苗を植えれば同じ面積の田んぼでも、より多くの米が取れるからだ。」


「どこでそれをお知りに成られたのですか?」


「出どころは言えんが、必ず成果を出す。やってくれるな?」


「承りました」


 訝しんではいるが、領主の嫡男の命令は無視でき無いようだ。戦国時代万歳だな。



天文六年 (一五三七年) 十月 播磨国 飾東郡 上鈴村


 正条植えをして初めての収穫だ。果たして上手く行っているだろうか。


「孫四郎様、収穫量が二割程増えておりました。」


そう言ってきたのは、左衛門だ。


「必ず上手く行くと言ったであろう」


「はい、恐れ入りました」


「どれだけ増えたかまとめて、父上に知らせといてくれ」


「承りました」



天文六年 (一五三七年) 十月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館


「山脇六郎左衛門から報告書を渡された。孫四郎、良くやった。正条植えと塩水選を領内全土ですれば、八万石を超える事になる。だが問題もある。米が急に増えすぎると米の値が下がってしまう。何か案はないか?」


「では、米を濁り酒にしてその濁り酒に灰を入れると清酒になります」


「濁り酒にするのは分かるが、それに灰を入れるのか?」


「はい、灰が濁りを取って綺麗な酒になります」


「分かった。余分に出来た米は、お主の言うとおりにしよう。」



天文六年 (一五三七年) 十一月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館


「孫四郎!お主の言うとおりにしたら、本当に澄んだ酒が出来た。味も濁り酒よりも美味であると言う。名を孫四郎酒と名付けるべきなのだろうが、それでは売れない可能性がある。それでだ、播磨酒と付けたいが構わんか?」


「はい、子供の名前の酒では売れづらいでしょうし、宜しいかと。」


「孫四郎、お主に褒美をやりたい。何かないか?」


「常備兵を増やして頂きたいです。」


「うむ、酒で銭が入るから常備兵を増やしても問題ないだろう。」


「ありがとうございます」



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