第三十九話
天文八年 (一五三九年) ニ月 但馬国 城崎郡 円山川
円山川に布陣した。対岸に山名軍六千六百が布陣している。そして、その後ろにある豊岡城の奥ににある山に二千の奇襲部隊が布陣している筈だ。
さて、早く戦を終わらせて情勢が不安定な摂津の様子を見るか。
「法螺貝を吹け。突撃だ!」
そう号令を掛けてから少しして、法螺貝の音が鳴り兵が突撃し始めた。
敵軍とぶつかって少し経った。敵軍を押している。そろそろ、勘助に奇襲をさせる為に狼煙を上げさせる。
「狼煙を上げろ。」
「はっ。」
天文八年 (一五三九年) ニ月 但馬国 城崎郡 円山川 山本勘助
狼煙が上がった。これは殿から奇襲を掛けろと言う合図だ。
「まず、五百の兵は最初に四町(四百メートル)先にある豊岡城を落してから敵本軍に奇襲を掛ける。残りの千五百の兵は豊岡城は攻撃せずに敵本軍を攻撃する。」
豊岡城を落とす作戦はこうだ。伊賀衆が豊岡城の内部から門を開けているから、そこから入り一気に落とす作戦だ。
豊岡城が見えた。門は開いているが流石に五百の軍勢は気付かれたらしい。慌てて門を閉めようとしている。伊賀衆が妨害しているが時間の問題だろう。この機を逃すわけには行かない。
「門が閉まる前に城に入れ!突撃ー!」
なんとか門が閉まる前に兵が城に入れた。
四半刻もしない内に豊岡城は落城した。
中にいた兵は百にも満たなかった。
さて、敵本軍に奇襲を掛ける。どうやら千五百の兵は奇襲に成功した様だ。かなり敵軍は崩れている。
儂が率いる五百の部隊も攻撃に参加させた。
天文八年 (一五三九年) ニ月 但馬国 城崎郡 円山川
狼煙を上げて少ししてから奇襲部隊が奇襲を掛けた。敵はかなり混乱している。豊岡城からも落ちたらしい。五百程の兵が攻撃に参加した。
半刻後、戦は終わった。損害は味方が百にも満たない数で敵軍は五百程だ。意外に少ないと思う。敵の被害が少ない理由として、奇襲を掛けられてからすぐに降伏する兵が多かったのが理由だ。
その後、但馬山名が支配していた但馬と丹後を取って、この戦は終わりを迎えた。
そしてこの戦の事を円山川の戦いと呼ばれた。
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