第三十八話
天文八年 (一五三九年) 一月 播磨 飾東郡 御着城 小寺氏館
いろいろな情報がもたらされたが、とりあえず対山名に集中しよう。
「勘助、軍議を開く人を集めろ。」
「はっ。」
すぐに人が集まった。
「まず、最初に山名が二つに分裂した。」
「殿、山名は何故分裂したのですか?」
そう聞いて来たのは小河だ。
「うむ、もともと山名祐豊と山名豊定は、親尼子と反尼子で意見が割れていたのだ。それで今回、山名豊定が尼子の支援を受けて独立したのだ。」
「なるほど、殿新しく独立した因幡山名は攻めますか?」
「攻めん、いや攻められない。」
「何故に御座います?」
「大義名分が無いのと尼子の兵が美作に集まっており、因幡に尼子の兵が雪崩れ込んでくる可能性があるからだ。」
「悔しいですが、因幡九万石は諦めましょう。」
「まあ、そのお陰で敵の総兵力が減って、戦がしやすくなったと思っておこう。」
「豊岡で決戦されるとの事ですが。どの様な作戦で行かれるのですか?」
そう聞いて来たのは勘助だ。
「いや、良い策が思い付いておらん。」
「では、豊岡の西にある山(但馬飛行場がある山)から奇襲を掛ける部隊を置いては如何でしょうか。」
「ふむ、分かりやすく言うと円山川から主力が攻めて、主力と戦っている敵軍の背後から奇襲部隊が奇襲を掛けるのだな。」
「はい、そうです。」
「勘助、良い策だ。その策を取ろう。...奇襲部隊は武勇と知略のある小河が率いろ。兵数は二千だ。」
「はっ!」
因幡を失っても山名は二十二万石ある。兵力にして六千六百だ。気は抜けぬ。
天文八年 (一五三九年) 一月 出雲国 月山富田城
???
「細川晴元にいえ、摂津国に火種をばら蒔きました。」
「そうか、小寺には舐めた真似をされたものだ。滅びは、しないだろうが地獄は見る筈だ。三好は如何だ?」
「申し訳御座いません。細川晴元と対立させましたが、講和する動きが御座います。」
「もう講和するのか。三好に小寺を攻めさせたかったが、仕方が無い。まあ、お前のばら蒔いた火種が大きくなるのを待とう。...忘れていたが毛利の状況は如何だ?」
「はっ、郡山城の防備を固めております。」
「そうか、来年毛利に総攻撃をかけるぞ!小寺と婚姻した代償を払って貰おう。」
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