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第三十六話

天文七年 (一五三八年) 十一月 播磨 飾東郡 御着城 小寺氏館


 宇喜多八郎の教育は重隆に任せて俺は忘れていた事をしなければなら無い。


 俺は前世では商社に勤めていた。その商社では鉱石なども取り扱っており、いろんな鉱山について知っていた。その中で同僚が播磨に沢山の鉱山があったと言う話をしていたのを忘れていた。同僚が酒を飲む度に話すから全部覚えている。同僚に感謝だな。


 早速、文官の長浜河内守長秋を呼ぶ。


「長浜、俺は夢で播磨の地図に黄金に光る点を見た。恐らく黄金だから金かそれに準ずる物が取れると思うのだ。そこを調査して来て欲しい。」


「分かりました。殿が仰られるのであれば、信じましょう。ですが一ヶ月調査して何も出なければ、調査は断念しますがよろしいですか?」


「ああ、勿論だ。」


「では、手配して参りますので、これで失礼します。」



天文七年 (一五三八年) 十一月 播磨 飾東郡 

長浜河内守長秋


 殿の命令で指定された所を調査している。本当に何か出るのだろうか。


「長浜様!金色の鉱石と銀色の鉱石が見つかりました!」


「何⁉︎見せてくれ!...金と銀ではないか。」


殿の夢は正夢だったのか。よし、調査させる人数を増やすか。


 だが、これはでかいぞ。これだけの金と銀が取れると小寺家はもう金には困る事が無くなるぞ!



天文七年 (一五三八年) 十二月 播磨 飾東郡 御着城 小寺氏館


「殿の夢に出た場所を調べた所、全ての所に何かしらの鉱物が発掘されました。正直驚きですが、流石殿でございますね!」


 長浜は上機嫌だ。それもそうだ、小寺の財政がより良くなるのだから。


 さて、大晦日までにはやり残した仕事を終わらせたい。まず、赤穂の塩を朝廷に献上する。古に倣ってだ。こうすれば赤穂の塩はブランド価値が付くし、朝廷は古に倣って塩が献上されて喜ぶだろう。

 

 因みにその塩は塩田で作らせる。その方が効率的に大量の塩が作る事が出来るからだ。 


 他にもやる事がある早く仕事を終わらして、しのに会いたい。




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