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第三十五話

天文七年 (一五三八年) 十月 備前国 和気郡 天神山城


 今、浦上宗景に会う為に天神山城に来ている。

何故、浦上宗景に会うのかと思う人もいるだろう。


 浦上宗家を簡単に滅ぼせたのはこの浦上宗景が浦上を裏切っていたからだ。そのおかげで本拠地の近くまでバレる事無く侵攻する事が出来た。裏切った理由だが浦上宗家と対立していたからだ。

 

 浦上宗景は戦は下手だが内政は得意な人物だ。その為、戦をしたがっていた浦上家当主の政宗に嫌われていたから対立していた。


 さて、今から対面だ。


「お初にお目にかかります、浦上宗景と申します。此度は天神山城までいらっしゃいましてありがとうございます。」


「うむ、小寺侍従政職だ。」


 一眼見た印象だが、とても温厚そうだ。歳は二十前半と言う所か。


「殿、備前にある道の整備と殿から教えて頂いた農法、産業を行った結果領地が見違える様に豊かになりました!ありがとうございます。」


「それはお主達が俺の事を信じて行った結果だ。気にするな。」


 その後、今後についていろいろ話した。如何やら宗景は俺に今回の事で忠誠を誓っているらしい。俺の話を目をキラキラさせながら聞いてくる。これなら備前の内政は宗景に任せるか。


 そんな事を考えていると一人の小姓がお茶を出して来た。歳は俺と同じくらいだろうか。


「殿、この者は政宗に家を潰された者で浦上を滅ぼした殿に感謝しております。」


「そうか、お主名はなんと言う?」


 そう小姓に聞いた。


「宇喜多八郎に御座います!」


 そう元気よく答えた。...宇喜多か、まさか宇喜多直家か?だとしたら今の内に小寺家への忠誠心を植え付けて置くか。


「そうか、八郎と言うのか。お主、俺に仕えぬか?」


「仕えたくありますが、家族が此処天神山に居るので...」


「ならば家族ごと御着にこれば良かろう。宗景、俺の家臣にして良いか?」


「勿論に御座います!八郎、良かったな。」


「はい!これから宜しくお願いします!」


 さて、八郎にいろいろ教えて行かないとな。


 これが宇喜多直家との出会いだった。


天文七年 (一五三八年) 十月 備前国 和気郡 天神山城 宇喜多八郎


 今日、大殿が来られるらしい。宗景様が仰っていた。

 

 私は大殿に感謝している。何故なら宇喜多家を潰した浦上政宗を討ち取って下さったからだ。


「八郎、大殿様が来られて殿と話されているらしい。お茶を出して来なさい。」


 そう言われてたので嬉々としてお茶を出しに行った。大殿はどの様な方なのだろうか。


 部屋に入ってお茶を出した。すると宗景様が私を大殿に紹介して下さった。

 

「殿、この者は政宗に家を潰された者で浦上を滅ぼした殿に感謝しております。」


「そうか、お主名はなんと言う?」


 そう聞いて来られました。私は私に興味を持って下さった事が嬉しくて、元気よく名を名乗った。


「宇喜多八郎に御座います!」


「そうか、八郎と言うのか。お主、俺に仕えぬか?」


 大殿がそう尋ねて来ました。嬉しく事だが、家族が此処天神山にいる。もったいないが断ると、家族ごと御着にこれば良いと仰られた。

 

 何も無い私を何故買ってくれたのか分から無いが私を引き立てて下さった大殿、いや殿に忠誠を誓おうと思った。




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