第三十四話
天文七年 (一五三八年) 九月 播磨国 飾東郡 御着城 小寺氏館 しの
小寺家に嫁いで来ました。父上が私の嫁ぐ相手は数年で播磨を統一した大物だと褒めていたのを聞いて来ましたが、播磨の主らしい派手な婚儀でした。
婚姻をする前に贈られて来た簪や櫛、綿の反物を見た時、小寺家の繁栄ぶりが凄いと思いましたが婚儀も凄く盛大でした。中には公家の方々が複数来られていて公家との繋がりが有るのでしょう。
その後、寝室にで二人切りになりました。政職様はとても緊張なさっています。口を開いて名前を名乗りました。
「小寺政職だ、これから夫婦として宜しく頼む。」
そう仰られました。とても律儀な方です。
「しのに御座います。此方こそ、末永く宜しくお願いします。」
こう返しました。恐らく政職様は何を話せば良いか分からないのでしょう。とても困ったと言う顔をしています。私から話題を振っても良いですが困っている顔が可愛いので黙っておきます。
政職様が私の姉について聞いて来ました。思わず姉について話している時、悲しい顔をしてしまったと思います。すると政職様は慌てた様に謝ってこられました。
「それは悲しい事を聞いてしまった。すまぬ。この通りだ。」
と言いながらあたまを下げて。
何とお優しい方でしょう。
その後たわいも無い話をしてから、政職様が恥ずかしそうに仰られました。
「そろそろ、当主としての仕事をしたい。」
なので一緒に布団の中に入って行きました。
私はとても良い方と婚姻する事が出来ました!
この事を文に書いて父上に送りましょう。
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